岩手の超大物フジユージーン(牡、瀬戸、父ゴールデンバローズ)が大楽勝で24年始動戦を飾った。無傷の6連勝で重賞は4連勝となった。

3月20日の大井・京浜盃を自重して迎えた地元・水沢での一戦は、スピードの違いで昨夏のデビュー2戦目以来の逃げの手に出た。楽な手応えのまま、向正面半ばでは後続が早くもついて行けなくなった。3コーナーでは鞍上の村上忍騎手が後ろを振り返る余裕で、後は独走となった。

2着サクラトップキッドを2秒4も突き放しての大差勝ち。跳びが大きく小回りの水沢への対応は、2歳時のビギナーズCから大きく修正。昨年の岩手競馬の2歳最優秀馬が圧倒的な能力を見せつけた。勝ち時計は1分41秒7。

村上忍騎手は「1週前の追い切りで乗りましたが、上々の動きだったので、自信を持ってレースを迎えることができました。先生(瀬戸師)からは、どこからでもいい、リズムだけを気をつけて欲しいと言われましたが、返し馬で気が乗っていたので、これなら無理に抑えないで逃げた方がいいと判断。後は距離が延びても大丈夫なようなレースを心がけました。冬休みも無事に過ごしてシーズンインができましたから、今後も楽しみです」と話した。

瀬戸幸一師は次走、東京ダービー(Jpn1、ダート2000メートル、6月5日=大井)指定競走のダイヤモンドカップ(M1、ダート1800メートル、5月5日=盛岡)に向かうことを明言した。「これで自信を持って次のレース(ダイヤモンドカップ)へ向かうことができます。今回の仕上げは7~8分程度でしたが、想定通りの状態で臨めました。今日は地元同士の戦いでしたからね。負ける気はしませんでしたが、期待していた以上のレースをしてくれました。パドックもいい雰囲気でしたし、ゲートも上手になった。次走ダイヤモンドカップでは100%の仕上げでいきます」と力を込めた。

なおダイヤモンドカップの結果、内容次第では東京ダービーの出走馬に選定され、参戦することが可能となる。