来月4日に近づいたG1ケンタッキーダービー(チャーチルダウンズ、ダート2000メートル)は6日に各地区で行われた3つの重要ステップを終えてフルゲート20頭の枠がほぼ埋まってきました。

人気は昨年の2歳牡馬王者で3月30日のG1フロリダダービー(ダート1800メートル、ガルフスロリームパーク)を13馬身半差で逃げ切ったフィアースネス(牡3、父シティオブライト)、地元ケンタッキーで今月7日に行われたG1ブルーグラスS(ダート1800メートル、キーンランド)を差し切って重賞連勝で臨むシエラレオネ(牡3、父ガンランナー)、そしてドバイのG2UAEダービー(ダート1900メートル、メイダン)でデビューから5連勝を飾ったフォーエバーヤング(牡3、父リアルスティール)に集まりそうです。

今週のG1皐月賞では同じ祖母を持つレガレイラとアーバンシックのいとこ対決が話題になっていますが、ケンタッキーダービーでも04年のJRA年度代表馬ゼンノロブロイの姉であるダーリングマイダーリングを祖母とするシエラレオネ(母ヘヴンリーラヴ)とフォーエバーヤング(母フォエヴァーダーリング)の人気2頭がいとこ同士であることに注目が集まっています。

ケンタッキーのホワイトバーチファームに残った母ヘヴンリーラヴが産んだシエラレオネは米国1歳セリで230万ドル(約3億4500万円)、ノーザンファームの吉田勝己氏に買われて日本にやってきたフォエヴァーダーリングから誕生したフォーエバーヤングはセレクトセールで9800万円(税抜き)と落札価格には開きがあったものの同じ血を受けた2頭は姿形や気性も似ているらしく競馬で前を行く馬は必ず捉える強いハートの持ち主。逃げるフィアースネスをかわすとすれば、それはどちらでしょうか。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)