函館2歳S(G3、芝1200メートル、13日)を目指すカルプスペルシュ(牝、石坂、父シュヴァルグラン)を担当する女性の松原汀明(ちあき)助手が、トレセン2年目で初めて重賞の舞台を踏む。
「緊張します」。函館競馬場の馬房で、笑顔で愛馬とスキンシップする様子からは深い信頼関係がうかがえる。厩舎の先輩スタッフのサポートも受けながら、手際良く厩舎作業をこなす。9日の調教はダートとウッドチップでハッキング。「全休日明けでいつもより元気が良かったですね。1回使ってピリッとしました」。
6月22日函館の新馬戦(芝1200メートル)は抜群のスタートを決めて、スローペースの4番手で折り合い、直線は馬の間を割って接戦を制した。ゲートセンス、道中のコントロール、決め手と3拍子そろう内容で上がりは33秒8。函館芝1200メートルで34秒を切る末脚を使った2歳馬は過去に1例あったが、勝ち切ったのは初めてだ。「勝負根性があるのにはびっくりしました。背中が良くて体幹がしっかりしています。おとなしくて、カイバもぺろっと食べるんです。人懐っこくてかわいいです」。
自身は小5から中1まで阪神競馬場の乗馬センターで続けた乗馬を、高校で再開。「速い馬に乗りたい」という気持ちが膨らみ、その夢をかなえるため就職先を探した。ツテがなかったので父親に教えられたBOKUJOB(競走馬生産・育成牧場就業応援サイト)を活用。縁があった先がノーザンファームだった。空港(北海道苫小牧市)で半年、天栄(福島県天栄村)で2年半、技術を磨いた。「天栄には若手を育てるのが上手な厩舎長がいて、教えられた技術がすぐに役立ちました。自信になりましたね。心の底から天栄に行けて良かったと思ってます」。
勝負事は勝って終わらないと気が済まないほどの「負けず嫌い」という。カルプスペルシュもレースぶりからは負けず嫌いなのだろう。若い人馬の挑戦に注目だ。【岡山俊明】

