ナナコ先輩に続け-。「夏のイチ押し」は桑原幹久記者が新人女性ジョッキーの大江原比呂騎手(19=武市)に注目した。土曜函館メインの函館2歳S(G3、芝1200メートル、13日)で、自身JRA2勝目を挙げたラインパシオン(牝、水野)とのコンビで重賞初騎乗が決定。10日に結婚を発表した藤田菜七子騎手に憧れる19歳が、意気込みを口にした。

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19歳、“真夏の大冒険”が近づいてきた。新人の大江原比騎手が最終週の函館で重賞に初騎乗する。「まさかこんなに早く乗れるとは思っていませんでした。普段通り緊張せずに乗りたいと思います」。水曜の調教後に軽度の熱中症を訴え大井での騎乗を取りやめたが、木曜朝は3頭に騎乗。「すみませんでした。元気になりました」と白い歯を見せ、万全を強調した。

縁を感じた。函館の地を踏むのは小学生以来。冷寒地だが「函館は夜景がきれいで、日差しが強いイメージです」と夏の光景を浮かべた。理由は調教助手の父勝さんの影響。出張に同行し、競馬場での早朝調教をぼんやりと眺めた記憶が濃い。「その時は何も考えてなかったので、まさかその函館で重賞に乗れるとは思いませんでした」と、再び初々しく笑みをこぼした。

憧れの存在が、この場に導いてくれた。競馬一家に生まれたが、騎手を志したのは中学1年の頃。藤田菜七子騎手の活躍に心を奪われ、両親に内緒で「競馬学校ジュニアチーム」に応募した。時はたち、女性騎手の第一人者が結婚を発表。「騎手になるきっかけになった方なので本当におめでたいです」と刺激を得た。

2週前の初陣でコンビを組んだラインパシオンは、ダートで初勝利。「走りが軽くスピードがあるので、芝はいいと思います」と感触を口にする。重賞初騎乗初勝利となれば史上6人目。JRA女性騎手の重賞制覇となれば、藤田騎手、今村騎手、永島騎手に続き史上4人目となる。「このチャンスを無駄にはしたくありません」。道を切り開いた先輩たちに、追いつき、追い越せ-。【桑原幹久】

◆大江原比呂(おおえはら・ひろ)2004年(平16)8月17日、茨城県生まれ。小学5年から乗馬を始め、藤田菜七子騎手の活躍から騎手を志す。目標の騎手は内田博幸騎手。趣味は釣り、音楽鑑賞。祖父哲は元騎手で元調教師、父勝は蛯名正厩舎で現調教助手、父のいとこ圭は現騎手。身長155・2センチ、体重48・2キロ。

◆騎手のデビュー年JRA重賞勝利 過去24人が達成している。00年以降では2人だけで、三浦皇成騎手は08年函館2歳S(フィフスペトル)を制覇。22年は今村聖奈騎手がCBC賞(テイエムスパーダ)を逃げ切り、女性ジョッキーとして初めてデビュー年重賞Vを飾った。