8月27日から9月1日にかけて、第40回アジア競馬会議(ARC)が行われた。
8月27日に開会式が行われ、同28日からの3日間のビジネスセッションでは、主に9つのテーマが語られた。今回のARCのスローガンは「Be Connected, Stride Together(つながろう、ともに歩もう)」。08年以来、16年ぶりの日本開催は初めて札幌が開催地に選ばれた。北海道は国内の約98%の競走馬が生産される馬産地。人と馬のつながりを軸に、議論が展開された。全ての講演に出席した松田直樹記者がARCで聞いたこと、感じたことをリポートする。(全10回)
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今や競馬の馬券参加者の年齢は、全体の43%が55歳以上だというデータがある。「競馬ファンのニーズに応える」と題された28日のセッションでは競馬ファン、競馬がもつストーリー性について語られた。JRA総合企画部経営企画室の鶴岡史隆上席調査役は、トラッキングシステムやジョッキーカメラの導入経緯などを説明しつつ、日本競馬の取り組みを解説。香港ジョッキークラブ(HKJC)で顧客戦略などを担当するデニス・ハウ氏はAIやオンラインを利用したプラットフォーム、ファン交流の場を提供している施策の内容を披露した。
若者をいかに取り込むか。顧客満足度やファンとのつながりをいかに高めるか。産業の持続性に関わる重要なテーマだ。
ある研究によると、スポーツや競技に対する忠誠心、心酔する度合いは14歳までに決まるという。日本では馬券購入は20歳になってから。どの国にも馬券での競馬の参加には年齢の壁が少なからずある。幼少期に馬に触れ合う機会、ましてや乗馬などの経験は、サッカーなどに比べれば格段に少ない。馬の余生にも関わってくる話でもあるのだが、競技への関心を高めるための努力が不可欠だとされた。
ギャンブル化を薄めて、エンターテインメント性を高める。昨年の英ダービーでは動物愛護活動家がコースに乱入する事件が起きた。また別のセッションでは競技そのものへの理解、教育の重要性が語られたのだが、どの国も競馬への精神的敷居を下げることに頭をひねらせる。
ここで注目を集めたのが、日本のアニメ、ゲームを基点とするエンタメ文化だった。テレビゲーム「ダービースタリオン」、漫画「みどりのマキバオー」、「優駿の門」、アニメ以外の他媒体でも人気を博す「ウマ娘」、そして競走馬のぬいぐるみなどの競馬関連のグッズ化。決して、ホスト国だから持ち上げられているのではない。これらが無意識のうちに競馬への理解を深め、目の前のレースだけではなく、引退馬などを含めた馬産業そのものへの関心を高めているというデータが示された。
■アジア競馬会議(Asian Racing Conference)
アジア諸国間の親善と相互理解の促進、および加盟国間の競馬交流を目的として、日本の提唱により創設された国際会議。第1回は1960年に東京で開催。今回は08年以来、16年ぶりの日本開催。過去4回は全て東京で議論が交わされ、今回は初の札幌開催となった。40の国と地域、団体から約800人の競馬関係者が出席した。

