3年前、日本馬が歴史的2勝を挙げた“デルマーの歓喜”が今年も!? 馬券発売される4競走以外も含めると、歴代最多となる計19頭の日本調教馬が参戦するブリーダーズCウイーク(レースは日本時間11月2、3日)が開幕した。

遠征馬の馬主関係者が語る「西海岸デルマーで米を食う」はBCターフのシャフリヤール(牡6、藤原英)など3頭を出走させるサンデーレーシングの吉田俊介代表が思いを語った。

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今年は歴代最多19頭の日本馬がBC諸競走に参戦する。昨年のサンタアニタパーク競馬場に続く西海岸開催。輸送時間の短さ、主催者の輸送費補助もあり、渡米を決意する陣営が増えた。サンデーレーシング代表であり、ノーザンファーム副代表の吉田俊介氏は「デルマーでは日本馬が勝っていますしね。あと、フォーエバーヤングのケンタッキーダービー。あの3着は大きかった。モチベーションになります」と話す。

98年から00年まで米ナイルブレインステーブルで修行を積んだ。「もう、遠い昔」と笑うが、22年からはBCの評議員も務めている。海外との関わりを深める中で、日本馬の強化を日々実感する。

吉田氏 アメリカで仕事をしていたので、ケンタッキーダービーは簡単に勝ちにいきますと言っていいレースではないとずっと思っていました。今年は本当に勝つかと思えた。勝ったミスティックダンを見ずに、(2着の)シエラレオーネを負かせば勝てる、と。これまでは日本と米国のダートはまるで違う舞台で、ダートのスペシャリスト、2000メートルを勝つために生産されてきた馬に勝つことって大変ですから。この24年間の中で日本の馬はものすごく進化した。世界の競馬の中でレベルがすごく上がったと実感しました。

日本馬のBC初参戦は96年クラシックのタイキブリザード(13着)。21年のデルマー開催でマルシュロレーヌがディスタフを、ラヴズオンリーユーがフィリー&メアターフを制した。挑んでは跳ね返され、歩んできた道のりにチーム・ジャパンの成熟を見る。「仕上げの技術だったり、遠征に対する知見、経験を二十数年間で積んできたと感じています。この何年かは特に」。今や「血統は世界一レベル」と胸を張る。それを扱う人間もまた、世界最高峰に届く技術力を備えた。

芝路線に目を向けても、イクイノックスを筆頭に世界有数の実力馬輩出国にのし上がった。日本のカレンダーではBCは天皇賞・秋、ジャパンCの中間に開催される。ターフで昨年3着のシャフリヤールは6歳秋を迎えても、指折りの実力を備えている。「乾いたコースでは走りますからね。去年は内側に芝コースがあるサンタアニタパーク。特殊な馬場でも惜しかった。今年はここがメイチなのかな。楽しみです」。馬主として、生産者として、日の丸がデルマー競馬場で揺れる瞬間を心待ちにする。

◆日本馬のBC遠征 昨年まででのべ30頭。藤沢和雄師が管理したタイキブリザードが96、97年と続けてクラシック(13、6着)に参戦したのが先駆けで、しばらくは数年に1、2頭のペースだった。初めて大挙遠征となったのはデルマーで開催された21年。7頭が出走しラヴズオンリーユー(フィリー&メアターフ)、マルシュロレーヌ(ディスタフ)の矢作厩舎2頭が歴史的勝利を挙げた。22年は1頭だけだったが、西海岸のサンタアニタパークで開催された昨年は9頭に増加。デルマソトガケがクラシック2着に好走した。