心が整った。2歳女王決定戦、阪神JF(G1、芝1600メートル、8日=京都)の最終追い切りが4日、東西トレセンで行われた。

注目馬の追い切りを深掘りする「追い切りの番人」では、新潟2歳S2着馬コートアリシアン(伊藤大)を取り上げる。2週連続で戸崎圭太騎手(44=田島)が騎乗し、メンタル面をチェック。落ち着きある動きに、過去2戦で見せた末脚再現の期待が高まる。

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コートアリシアンの背中には戸崎騎手がいた。先週と同じ光景。1週前、最終追いとジョッキーを鞍上に迎えたリハーサルだ。実は当初、最終追い切りの騎乗は予定になかった。伊藤大師は「ジョッキーと僕とで共通して確認したいことがあった」と軌道修正の理由を明かした。ただ、真意は「内緒」とけむに巻く。「うまくクリアできた。これで圭太も自信を持っていけるのでは」。陣営の中で課題は霧散したようだ。

確認事項とは…。戸崎騎手の言葉をヒントとしたい。「先週乗せてもらって、テンションが気になった。そのあたりを一番感じたかった」。1週前にウッドで自己ベストの6ハロン81秒8-11秒3。名手は追走併入の猛時計マークによる心理的反動を危惧した。「今週はテンションが上がると思ったけど、全く上がらず精神状態に余裕があった」。6ハロン84秒3-11秒3を馬なりで出し、アマイ(古馬2勝クラス)に半馬身先着。心は穏やかだった。

人馬は阪神JFが初コンビとなる。前走の新潟2歳Sは出負けをして、4角まで折り合いに苦しんでいた。スムーズに前半を運べなかった分、勝ち馬トータルクラリティに半馬身差、差し返された。この日、直線での動きは鞍上に一任されていた。戸崎騎手は「自分からグッと動けるし、反応もできる。このまま順調なら」と太鼓判を押す。チェック完了だ。

今回はハミをリングハミへと替え、前走はゲート裏で外したメンコをレースでも装着する。レースで気持ちがあふれてしまわぬよう、馬具にも工夫を散らす。伊藤大師は「輸送は新潟で経験できた。京都のコースは向くと思う。4角で馬群が広がるので、中山や阪神みたいに詰まる心配はない。中を突くか、外へいくかは乗り役次第」と悔いなき仕上げだ。過去2戦はともに上がり3ハロン最速を計時した。大一番でさらに力強い伸びが見られそうだ。【松田直樹】