ミライは明るい! 6年目の岩田望来騎手(24)が5番人気アルマヴェローチェ(上村)を2歳女王の座へ導いた。
大外から最速の上がり34秒3で豪快に差し切った。
鞍上は61度目のJRA・G1挑戦で待望の初制覇。来春は桜花賞(G1、芝1600メートル、4月13日=阪神)を目標にする。
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振り下ろした右手には、61戦分の思いとステッキが握られていた。大外から突き抜け、内へ目をやると誰もいない。勝った。こみ上げた感情は「やった」と「やっと」。顔を赤く上気させた岩田望騎手は、何度も拳を握って歓声に応えた。
「やっと勝つことができてうれしい。状態もいいと聞いていたので、自信を持って乗った」
初騎乗のアルマヴェローチェを大胆な手綱さばきでエスコートした。かつて40度目の挑戦を実らせてG1ジョッキーとなった上村師からは「思い切って乗れ。無難に乗るな」と送り出されたという。細心の注意を払ったスタートを五分に切ると、わずかに手綱を動かして中団につけた。直線では大外へ。右腕を振るって豪脚を引き出した。
「直線へ入る時に内から出て外の馬に迷惑を掛けてしまったけど、追い出してからの脚はすごいものがあった。G1に勝ったことがなかったので、ゴール寸前まで分からなかった」
24歳での戴冠は決して遅くない。それでも「6年もかかってしまった」と口にしたのは、腕達者がそろう同期の存在があるからだ。競馬学校35期生のLINEグループでは、今もメッセージのやりとりが絶えないという。すでに団野騎手と菅原明騎手がG1を制覇する中で、自身は60戦未勝利。祝福が飛び交う画面を複雑な思いで見つめていた。
「ずっと悔しい思いばかりしてきたのが、ゴール前で出たんじゃないかと…。刺激にもなっていた。同期だけでなく、20代前半の若手全体で競馬界を盛り上げていけたら」
2歳女王となったパートナーも前途洋々だ。開業6年目で早くもG1・2勝のトレーナーは「まだこれからの馬。春に向けて成長してくれると思うので、うまく桜花賞へつなげられれば」と目を細めた。若き人馬は伸び盛り。明るい未来へと走り続ける。【太田尚樹】
◆アルマヴェローチェ ▽父 ハービンジャー▽母 ラクアミ(ダイワメジャー)▽牝2▽馬主 大野照旺▽調教師 上村洋行(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 3戦2勝▽総獲得賞金 8560万円▽馬名の由来 武器(伊)+冠名

