マーズを超えていけ! 5番人気アドマイヤズーム(牡、友道)が、2着に2馬身半差をつける快勝で、2歳マイル王に輝いた。

管理する友道康夫調教師(61)は、18年アドマイヤマーズ、21年ドウデュースに続く3度目の制覇。22日中山の有馬記念(G1、芝2500メートル)で引退レースを迎える僚馬ドウデュース(牡5)に最高の形でバトンをつないだ。今後はオーナーとの相談となるが、NHKマイルC(G1、芝1600メートル、5月11日=東京)を来春の目標に、ローテーションが組まれる予定だ。

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疾風のごとく-。青と白の勝負服が、淀のターフで躍動した。アドマイヤズームが、デビュー3戦目で2歳マイル王に輝いた。友道厩舎にとって、これが19年香港マイルのアドマイヤマーズ以来、約5年ぶりの“アドマイヤ”とのG1制覇。「一番お世話になっている方。験を担ぎました」。友道師は、亡き近藤利一オーナーのスーツに身を包み、念願の勝利をかみしめた。

圧巻の強さだった。スローペースを2番手で追走し、抜群の手応えで直線へ。残り400メートル地点で先頭に立つと、後続を離す一方だった。「いつでも外に出せる位置にいたし、抜け出す時の脚がすごかった。新馬前から期待していた馬。予定通り、ここまできてくれて良かった」と師。未勝利勝ちからの臨戦過程もなんのその。高いポテンシャルで他馬をねじ伏せた。

名将は、デビュー前からズームの素質を感じ取っていた。速い脚を長く使えるのが、ストロングポイント。新馬戦こそ4着と敗れたが「デビューの前から、(アドマイヤ)マーズくらいは動けそうだなと思っていた」と、師は厩舎の先輩で国内外のG13勝を挙げた名馬の影を重ねていた。

次に狙うは、マーズもたどり着いた3歳マイル王の座だ。正式決定はオーナーとの協議後となるが、NHKマイルCが春の目標になる予定だ。「まだまだ、これから良くなってくると思います」。未完の大器の物語は、第2章へと続いていく。【藤本真育】

◆アドマイヤズーム ▽父 モーリス▽母 ダイワズーム(ハーツクライ)▽牡2▽馬主 近藤旬子▽調教師 友道康夫(栗東)▽生産者 社台ファーム(北海道千歳市)▽戦績 3戦2勝▽総獲得賞金 7776万2000円▽馬名の由来 冠名+母名の一部、素早く動く