今年も輝かしい新星が現れた。3番人気のリラエンブレム(牡、武幸)がデビュー2連勝で重賞初制覇を果たした。
中団から最速の上がりで突き抜けて2馬身半差の完勝。まだ“成人”にはほど遠い大器で、将来への期待も大きい。今後は未定で、成長を見極めながら目標を定める。浜中俊騎手(36)はシンザン記念5勝目を挙げた。
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新参ならぬ新星だ。輝く黒鹿毛に覆われた筋肉を躍動させ、キャリア1戦のリラエンブレムが馬群を抜け出した。西日へ向かって伸びる。実績馬たちの脚音ははるか後方へ遠ざかった。2馬身半差の完勝。両手を挙げて引き揚げてきた浜中騎手が声を弾ませた。
「本当に、強かったのひと言ですね。2戦目で気持ちが入っている部分もあったけど、うまく我慢しながら直線を向けた。抜くまでが早かったし、強かった」
文句なしの勝ちっぷりだった。序盤は行きたがるのをなだめられ、中団内で待機。直線入り口で前方の1番人気アルテヴェローチェに狙いを定めると、内から並ぶ間もなく抜き去った。
底の見えない大器だ。武幸師は「今の段階で重賞を勝つんだから能力。まだ正直、成長は全然なので。トモが甘くて、返し馬を見ても分かる通り、大丈夫かなと…」と舌を巻いた。同馬自身は当歳時に7200万円(税抜き)で落札されたが、1歳下の半弟は昨夏のセレクトセールで1歳史上最高額となる5億9000万円の値をつけている。その素質が早くも結果として表れた。
その特長はシンプルだ。「脚が速い」。昨秋の栗東で初めて調教にまたがった鞍上は、端的に能力を表現した。ここまで2戦はマイルを走ったが「距離の融通は利くと思うし、キャリアも浅くてまだまだ奥のある馬」と見込む。ただ、未完成だけに焦りは禁物だ。トレーナーは今後について「成長過程を見ながら。勝ってくれて時間をとれるのが一番いい。大事にいかないと」と目標設定を先送りした。登竜門として名高い一戦で名を上げたニュースター。“成人”になる日が待ち遠しい。【太田尚樹】
◆リラエンブレム ▽父 キズナ▽母 デルフィニア2(ガリレオ)▽牡3▽馬主 (株)Gリビエール・レーシング▽調教師 武幸四郎(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 2戦2勝▽総獲得賞金 4879万5000円▽馬名の由来 紫(独)+紋章

