兄弟子に惜別Vを! 桜花賞トライアル・チューリップ賞(G2、芝1600メートル、3月2日=阪神、1~3着馬に優先出走権)の最終追い切りが26日、東西トレセンで行われた。今週末が定年前の最後の競馬となる河内洋調教師(70)がラスト重賞に送り出すウォーターガーベラ(牝3)は、初コンビの武豊騎手(55)がまたがって感触を確かめた。鞍上は兄弟子にあたる河内師への思いを語り、有終Vのプレゼントへ意気込む。
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河内厩舎の“最終レース”で豪華な“兄弟”共演が実現する。ラスト重賞で、厩舎最後の出走馬になる見込みのチューリップ賞、ウォーターガーベラは、河内師の弟弟子にあたる武豊騎手が手綱をとる。
最終追いは坂路でウォーターアデル(3歳未勝利)と併せ馬。4ハロン53秒2-12秒2で1馬身先着した。初コンタクトを取った鞍上は「まだ非力な感じはあって、これからの馬だと思うけど、最後に乗せてもらえるからね。何とか頑張りたいです」と力を込めた。
武豊騎手にとって、河内師はなくてはならない存在だ。父邦彦さんが河内師の騎手時代からの兄弟子で、その河内師が武豊騎手の兄弟子という関係性。「生まれた時からつながりがあって、子どもの頃からかわいがってもらったし、本当に全てがお手本。ジョッキーとしての基礎は、完全に河内さん」と慕う。騎手同士では、名実況でも有名な00年ダービー(※)など数々の名勝負を繰り広げてきた。
05年3月の河内厩舎の初出走(ミッドナイトトーク2着)も、同年4月の初勝利(同馬)も、その馬上には武豊騎手がいた。そして、最後の出走となるガーベラも。最終追いを見守った河内師は「いい感じやった。上がりも良かったし、いい状態で出せると思う。2走前のシンザン記念(3着)は牡馬相手によく走っているからね」と期待を込める。
縁は、調教師と騎手だけにとどまらない。「ウォーター」の冠名で知られる山岡正人オーナーの父良一オーナーは、河内師と武豊騎手の師匠である武田作十郎調教師と交流があった。武豊騎手は「武田厩舎からの縁で、オーナーが山岡さんで、調教師河内洋で、騎手武豊で。最後に勝てたらうれしいですね」と最高の花道をイメージ。ガーベラの花言葉は「希望」。みんなの希望を最後の最後に咲かせてみせる。【奥田隼人】
※00年ダービー 最後の直線は、内・武豊騎手エアシャカールと外・河内騎手アグネスフライトで激しいたたき合い。7センチ差で、河内騎手が悲願のダービー初制覇を果たした。フジテレビ三宅正治アナウンサーの「河内の夢か? 豊の意地か?」は名実況として有名。
◆河内師と武豊騎手 05年の河内厩舎開業から先週まで、初出走や初勝利などJRA通算254戦でタッグを組んできた。全成績は【36・42・35・141】。勝利数の36は騎手別成績で川田騎手(37勝)に次いで、和田翼騎手と並ぶ2位の数字。重賞勝ちは11年シリウスSのヤマニンキングリーがある。G1タッグは4度。JRA重賞挑戦は今回で18度目となる。

