混沌(こんとん)とする馬群を、1本の槍(やり)が突き抜けた。ランスオブカオス(牡、奥村豊)が重賞初制覇を飾った。鞍上を務めた2年目の19歳、吉村誠之助騎手(清水久)も重賞初V。「本当にうれしいです」。ゴール後に2度、左こぶしを固く握り、1勝をかみしめた。

完璧なレースだった。課題だったスタートを決め、好位の内で待機した。直線では一瞬、前が壁になったが、慌てず我慢。デビューからコンビを組む人馬は呼吸を合わせ、前を行く2頭の間、わずかな隙間をあっという間に突き抜けた。吉村騎手は「外に望来さん(アスクセクシーモア)がいて(外の進路は)開かないと思い、我慢しました。前は狭かったですが、ひるまずにいい脚で突っ込んでくれました。度胸があります」と愛馬をたたえた。

タイトルを持って東上する。目指すはNHKマイルC(G1、芝1600メートル、5月11日=東京)だ。「勝ってNHKマイルCに向かいたいと思っていました。G1でもやれる力はあると思います」と鞍上。“吉村×カオス”の若武者コンビの新たな挑戦は、これからが本番だ。【藤本真育】

◆ランスオブカオス ▽父 シルバーステート▽母 ハイドラン(ローエングリン)▽牡3▽馬主 五影慶則▽調教師 奥村豊(栗東)▽生産者 フジワラフアーム(北海道新ひだか町)▽戦績 4戦2勝▽総獲得賞金 7683万8000円▽馬名の由来 混沌に対する槍。