三たび“マジックマン”が魅せた! 牡馬クラシック1冠目はミュージアムマイル(牡、高柳大)が勝利した。
勝ち時計1分57秒0は昨年ジャスティンミラノがマークした1分57秒1を更新する皐月賞レコード。先に抜けた断然の1番人気クロワデュノール(牡、斉藤崇)を目がけ、ジョアン・モレイラ騎手(41)のゲキに応えて差し切った。鞍上は1カ月の短期免許期間で高松宮記念などG1を4戦3勝。桜花賞と皐月賞の同一年制覇は史上6人目の快挙となった。
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動きの激しい舞台でこそ、さえ渡る“マジックマン”の手綱さばきだ。課題だったゲートを決め、じっと中団で脚をためたミュージアムマイルとモレイラ騎手。向正面でまくりを仕掛ける馬に合わせず3角過ぎから少しずつ外へ誘導し、4角で人気のクロワデュノールを射程に入れた。直線では矢のように伸び、一気に差し切った。「素晴らしい瞬発力でした。先頭に立つのが早いくらいでしたが、残り180メートルで“勝てる”と思いました」と相棒の末脚を見事に引き出した。
不利を跳ね返すマジックが導いた勝利だった。1週前追い切りで好感触を感じ取った以上に、当日のパドックで「さらに力強さを感じた」と自信を深めた。しかし、向正面では数回接触があるなど「レース中にできればなってほしくない場面が何度かありました」と辛抱が続いた。そんな鞍上の心配をよそにパートナーは意に介せず「これ以上悪くならないようにというこちらの意志に、馬が耐えてくれた」。不利を最小限に抑える魔法に、馬は最高の結果で応えた。
今回の短期免許期間中、G1・4戦3勝。桜花賞に続く2週連続の大レース制覇に「本当に特別な2週間で、夢でもなかなか見られないこと」と笑顔を見せたが、今春に日本で乗れるG1はこれで一区切り。26日の青葉賞の後は、香港や米国の大レースに騎乗し母国ブラジルに戻る。2冠目のダービーについては、スケジュール的に厳しいと前置きしつつ「そういった予定を抜きにして、依頼があればもちろん乗りたい」と切望した。再び我々の脳裏へ強く刻まれた手綱さばき。次はどこでどんな魔法を仕掛けてくれるのか-。次の来日を楽しみにしたい。【深田雄智】
◆ミュージアムマイル▽父 リオンディーズ▽母 ミュージアムヒル(ハーツクライ)▽牡3▽馬主 (有)サンデーレーシング▽調教師 高柳大輔(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 6戦3勝▽総獲得賞金 2億8257万9000円▽馬名の由来 ニューヨーク、マンハッタンの5番街にある通り。
◆同一年の桜花賞→皐月賞連勝騎手 モレイラ騎手は、19年ルメール騎手(グランアレグリア→サートゥルナーリア)以来6年ぶり史上6人目。他に74年武邦彦(タカエノカオリ→キタノカチドキ)、75年菅原泰夫(テスコガビー→カブラヤオー)、77年福永洋一(インターグロリア→ハードバージ)、93年武豊(ベガ→ナリタタイシン)が達成している。

