いよいよ今週日曜に第92回日本ダービー(G1、芝2400メートル、6月1日=東京)が行われる。連載「いざ初ダービー」では、初めてダービーの大舞台に挑むホースマンを取り上げる。

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報道陣が取材に来る回数も増えるダービーでも、千葉直人師は嫌な顔ひとつせず「取り上げていただけるだけでありがたい。ファンやオーナーさんに対してアピールになりますしね」と笑顔を見せる。明るいキャラクターに、こちらまで元気がもらえる。

開業2年目でのダービー挑戦は、順調過ぎるほどに見えるが「負けた後は何が足りなかったのか常に考えています。調教師を続ける限りずっとこうしているのでしょうね」と自問自答を繰り返す日々。今回は「ダービーは最も運の強い馬が勝つと言われていますからそのための準備をしています。今回は馬をゆったりめにつくっています」と、ニシノエージェントを緻密に仕上げる。

後押しするのは西山茂行オーナーの存在だ。「初勝利も初重賞もオーナーと。運がありすぎますよね」。師が業界入りを決意したきっかけは同オーナー所有のセイウンスカイ。「縁を感じますよね、本当にありがたい」と感謝は尽きない。

印象に残るダービーに04年キングカメハメハ、08年ディープスカイと、NHKマイルC&ダービーの変則2冠を達成した2頭を挙げた。「過酷なローテを勝ちきる馬の作りに度肝を抜かれました。自分がその立場になって、より感じています」と率直な回答が返ってきた。今回の相棒は京成杯で低評価を覆し、周囲の度肝を抜いた経験がある。「今回の挑戦は今後に向けて絶対プラスになる。馬にとって最善の選択をし続けたい」。若きトレーナー最大の挑戦が始まる。【深田雄智】

◆この日のニシノエージェント 美浦ウッドコースに登場。半周ほどキャンターを行った。落ち着いた様子を見せつつ、活気ある周回で態勢は十分に整っている。