いよいよ今週日曜に第92回日本ダービー(G1、芝2400メートル、6月1日=東京)が行われる。連載「いざ初ダービー」では、初めてダービーの大舞台に挑むホースマンを取り上げる。
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小学校の卒業アルバムに“厩務員になりたい”と書いたほど、競馬に魅了され、ホースマンを夢見ていたのが辻哲英調教師(45)だ。今、まさにほれ込んだ競馬の世界で、管理馬を出走させている。
今年は全ホースマンの憧れのダービーに初挑戦する。送り出すのはファンダム。3戦3勝で行く。前走の毎日杯は外から上がり32秒5という切れ味を見せつけ、一躍世代のトップ争いに名乗りを上げた。師は「前回は期待を持たせる勝ち方でした。あれなら大きいところにチャレンジしてもと思えた」と振り返る。
「印象に残るダービーは選べない」。師が言った。それは競馬が好きだからこそ。言葉の節々に出走馬に対する尊敬の念がちりばめられている。「馬1頭1頭に次のレースがあって、それに向けて100%の力を出せるように調整していきます」とダービー参戦が決まった時に語っていた。そして「特別なレースであることは認識しています。チャンスのある馬で挑めることを光栄に思います」と襟を正す。好きだからこそ、憧れがあるからこそ、まじめに、誠実に、当日を見据えて進んで行く。選ばれし18頭中の1頭に自分の管理馬がいる。その重みを子どもの頃から知る師が、6月1日を誰よりも待ち遠しく思っているに違いない。【舟元祐二】

