縁は巡って大金星に-。単勝7番人気メイショウタバル(牡4、石橋)が3馬身差で逃げ切り、G1初勝利を挙げた。
管理する石橋守調教師(58)も開業12年目で涙のG1初制覇。武豊騎手(56)、長年の交友がある松本好雄オーナー(87)との強い絆で感動のドラマを演出し、春G1を締めくくった。
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「涙が出そうなくらいうれしい」。馬上でこぶしを握る武豊騎手は笑みがはじけた。灰色メンコと、青とピンクの勝負服は全くきれいなまま。レジェンドの絶妙なラップに導かれ、メイショウタバルが王者になった。「折り合いもついていたけど、つきすぎるわけではなく、いいペースで入れたと思う」。マイペースで運んだ逃走劇に、1番人気のベラジオオペラも為す術がなかった。
鞍上にとっては06年ディープインパクト以来となる宝塚記念5勝目。格別な意味がある。
「馬がつないでくれた人の縁、人がつなぐ馬との縁というか、いろんな思いがありますね」
管理する石橋師は幼少時から兄のように慕ってきた存在だった。
「ジョッキーになる前からも一緒に競馬を見たり、遊んだりしていた。ジョッキーだと一緒に勝つことはないから、石橋さんが調教師になってからは一緒に大きいところを勝てたらいいなと思っていた。現実となって、夢がかなった感じがする」
最高の「父の日」にもなった。16年夏に他界した父邦彦さんは「メイショウ」の松本オーナーとも強い絆で結ばれていた。「おやじの大親友で、亡くなった時も弔辞を読んでくださった。今日は父の日だからね…。縁を感じるよね。父も喜んでいると思います。タバルありがとう、という感じだね」と目尻を下げた。レース後は何度もガッツポーズを見せ、インタビューでは“縁”という言葉を何度も繰り返した。万感の思いがこもった1勝だった。
タバル自身も親孝行を果たした。春のグランプリは父ゴールドシップが連覇した舞台。人馬ともに思い出に残るタイトルとなった。今後についてはまだ未定も、レースの選択肢は大きく広がった。新時代の逃亡者が、これからも日本中を魅了する。【下村琴葉】
◆メイショウタバル ▽父 ゴールドシップ▽母 メイショウツバクロ(フレンチデピュティ)▽牡4▽馬主 松本好雄▽調教師 石橋守(栗東)▽生産者 三嶋牧場(北海道浦河町)▽戦績 11戦5勝(うち海外1戦0勝)▽総獲得賞金 4億4164万6600円(同2355万3600円)▽主な勝ち鞍 24年毎日杯(G3)、神戸新聞杯(G2)▽馬名の由来 冠名+熊本県の地名

