ダート界に新たな“雷神”の誕生だ-。3歳ダート界の頂上決戦は、3番人気のナルカミ(牡、田中博)が逃げ切り、後続に3馬身差をつける完勝劇を見せた。勝ち時計は2分3秒7。今後は古馬との戦いだけでなく、海外を含めさまざまな選択肢を見据える。

3冠制覇を狙っていたナチュラルライズ(牡、伊藤圭)は、惜しくも2着に終わり、快挙達成とはならなかった。

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大観衆が詰めかけた夜の大井に、雷鳴をとどろかせた。ナルカミは戸崎騎手とともにハナへ。淡々とペースを刻むと、3角では外から2番手に浮上してきた2冠馬ナチュラルライズと、マッチレースへ。ただ、3冠馬誕生を見ようと集まったファンをよそに、4角を抜群の手応えで迎えたのはナルカミだった。直線では突き放し3馬身差の完勝。戸崎騎手は「この手応えなら押し切れると思った。前走より馬が良くなってリラックスできた」とゴール後は馬の首筋をなで、白い歯を見せた。

泰然自若の神様だ。2冠馬が相手に加え、初のナイターレースやパドックから地下馬道を通る導線など、陣営には不安がつきまとった。しかし課題だった精神面も許容範囲でレースに臨めた。田中博師は「全体的によく我慢できて、堂々としていた。高い心肺機能が強み」と動じることはなかった。

海を越えた戦いも視野に入る、それほどの大器だ。師は「次もG1になるのは間違いないし、どこかを使って海外も。いろんなプランがあります」と可能性は無限大だ。レモンポップ、ミッキーファイトとダート界のスターホースを管理してきた砂の名門から、新星の誕生。次の雷はどこで鳴るのか-。日本ダート界を背負う“雷神”が誕生した夜だった。【深田雄智】

◆ナルカミ ▽父 サンダースノー▽母 オムニプレゼンス(ディープインパクト)▽牡3▽馬主 ゴドルフィン▽調教師 田中博康(美浦)▽生産者 ダーレー・ジャパン・ファーム有限会社(北海道日高町)▽戦績 6戦5勝(うち地方2戦2勝)▽総獲得賞金 1億4107万1000円(うち地方1億1000万円)▽主な勝ち鞍 25年不来方賞(Jpn2)▽馬名の由来 鳴神