東西7人の調教師が4日に新規開業した。美浦の手塚貴徳師はJRA現役トレーナー最年少の33歳。父である貴久師の背中を追って競馬の世界に飛び込み、目標には“父超え”を掲げた。初陣となる土曜中山12Rで史上28人目の管理馬初出走初勝利を目指す。

    ◇    ◇    ◇

手塚徳師が迷わず言い切った。「長期の目標は父親を超えること。短期では16馬房なので16勝したいです」。父の貴久師はJRA・G1を10勝の名トレーナー。幼少期は競馬に関心が薄かったが、大学1年の終わりに父がG1初勝利。レース1カ月後にそのことを知り、この道を志した。開業前日の3日、厩舎で父と出くわした。「まあ頑張れよ。大変だろうから」。父であり、先輩としての言葉をかけられた。

スタッフのユニホーム、馬着などに用いる厩舎カラーはダークグリーン。由来は直近まで所属した相沢厩舎の緑をはじめ竹、さらに竹取物語までつながる。「竹は成長力があって、しなるけど芯がしっかりしている。柔軟性がありつつ、しっかりしている人馬を作りたいです。竹取物語ではかぐや姫が月に帰りますよね。活躍して無事に種牡馬、繁殖牝馬として牧場に返せるようにしたいです」と方針を掲げる。

初週は2頭。初陣は土曜中山12R、前走2着のレッドレナート(牡5)だ。元々父の管理馬で、4日の最終追い後に自身の厩舎へ移ってきた。「すごいプレゼントですよね」。鞍上は同い年の横山和騎手。「前走乗った長浜騎手が乗れなかったので。初っぱなで乗ってほしかったので」と、小学時代からの幼なじみに手綱を託した。「父親を見てもそうですが、関わっている人がハッピーになれる、総合力No・1厩舎にしたいです」。憧れの存在に追いつき、追い越す。【桑原幹久】

◆調教師のJRA初出走初勝利 54年のJRA設立以降で27人が達成。直近では栗東・吉岡辰弥師が20年3月15日中京6Rをトゥインクルリーフで勝利。また、武幸四郎師は18年3月3日阪神1Rを兄の武豊騎手騎乗のグアンで勝利し達成。続く2戦目も勝ち、初出走から2連勝を飾った。