1番人気の皐月賞馬ロブチェン(牡、杉山晴)が接戦をものにして2冠を制した。松山弘平騎手(36)は11度目の挑戦でダービージョッキーの称号を手にした。

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ダービー3日前の木曜。ロブチェン担当の房野助手と話す機会があった。取材をひと通り終えると「そうそう、さっき松山が来てん」とロブチェンの馬房を松山騎手が訪れたことを教えてくれた。

競走馬にとってダービーは一生に一度の晴れ舞台。悲願の初制覇を狙う松山騎手にとっても、皐月賞馬で挑める今回は大きなチャンスだった。それだけにプレッシャーもあったに違いない。

それを察した上で、房野助手は鞍上に自分の考えを伝えたという。

「ダービーを絶対勝たないといけないわけじゃないから。この馬はその先があるから。気楽に考えて」

皐月賞の前から「ダービー」という言葉を何度も口にしていた同助手。勝ちたいという思いはその言葉から、行動から、目に見えるように伝わってきた。それでも考えているのは、未完成の3歳馬ロブチェンをこれからもっと強くする、ということ。もちろん松山騎手と一緒に。勝負は目の前だけではない。この思いが伝わって緊張が少しほどけたからか、松山騎手は「きょう、来てよかったです」といつもの柔らかい口調になったという。

トレセンで働く調教助手が、ダービー馬に巡り合う確率はジョッキーよりも低い。それだけに担当馬、一頭一頭にかける気持ちも強い。ロブチェンを磨き上げた房野助手。それを信じて最後のバトンを受け取った松山騎手。まさにチーム一丸となったダービー制覇だった。【中央競馬担当=原田竣矢】