武豊騎手(57)騎乗のシックスペンス(牡5、田中博)が2番手から抜け出しG1初勝利を挙げた。57歳2カ月24日でのG1勝利は、横山典弘騎手の56歳3カ月4日を更新する史上最年長Vとなった。

   ◇   ◇   ◇

デビュー40周年を迎える武豊騎手が刺激を受けたのは“推し活”だった。昨年末、武豊騎手はSnow Manのライブを見に行ったという。日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」に出演した目黒蓮が所属するアイドルグループ。バラエティー番組「それにSnow Manやらせて下さい」にゲスト登場し、メンバーと共演していた縁があった。

アイドルグループのライブでは会場に駆けつけるファンも気合が入る。ライブ限定のグッズを身につけたり、推しのメンバーカラーに身を包んだり、うちわを自作する人も多い。ペンライトを手にライブを全力で楽しむ光景はアイドル好きには日常的なものだが、レジェンドには強く印象に残ったようだ。

「お客さんが本当、みんな楽しそうでね。うれしそうにしていた。ああいうのを見ると、競馬もお客さんたちに喜んでもらえるレースをしないとなと思う」

その思いを体現するかのように、急きょ騎乗が決定したシックスペンスで接戦をものにした。8番人気以下の馬でG1を勝ったのはこれが初めて。歓喜するファンの姿を、ウィニングランでかみしめていたはずだ。

オークス前には「オークス、ダービー、安田記念、宝塚記念。こんなにワクワクしている57歳、他にいないよ」と話していた武豊騎手。トップアスリートとして闘志を燃やし続けながら、応援するファンに対しての敬意も忘れない。その姿勢が競馬界のレジェンドたるゆえんの一つであろう。【下村琴葉】