福永祐一調教師(49)が3場メインをジャックした。3番人気メイショウハチロー(牡4)で制し、開業3年目でG1級初制覇を果たした。勝ち時計は1分34秒7。東京のオクトーバーS、京都のスワンSも管理馬で勝利した。2着は逃げ粘った6番人気ストレングス(牡5、寺島)、1番人気で連覇を狙ったウィルソンテソーロ(牡7、高木)は3着だった。
◇ ◇ ◇
これ以上ない、最高の1日だ。福永師が東京→京都→盛岡と約3時間の間に、メインレースを総取りした。現地盛岡で見守ったメイショウハチローは好位から逃げ馬をゴール前で4分の3馬身差し切った。鞍上の吉原騎手から右手を突き上げるガッツポーズを受けた福永師は「全てが完璧に運びましたね。馬もジョッキーもうまく乗ってくれて、スタッフもよく頑張ってくれて、非常にいい1日になりました」と頬を緩めた。
節目の1勝だ。騎手時代はJRA通算2636勝、G1・45勝(地方、海外含む)と輝かしい実績を残した。調教師へ転身し、24年に開業。1年目からJRA重賞を制し、この日のスワンSで同6勝目。騎手として15年ベストウォーリア、22年カフェファラオで2勝した南部杯で、G1級タイトルをつかんだ。「非常に縁のある競馬場で初めて大きいレースを勝てたことに何かまた縁を感じます」とかみしめた。
細部にこだわった。レース前、パドックの周回が終わると小走りで移動。馬場入りの瞬間を間近で見届け、またも小走り。スタンド2階の部屋から窓を開け、向正面からゲートへ向かうメイショウハチローの様子を双眼鏡でじっくりのぞいた。「駐立がいい形ではなく、案の定スタートを切れなかった。それでもうまくリカバリーしてくれて、位置の取り方のあんばいが非常にうまかった」と騎手目線で鞍上をたたえた。
メイショウハチローは、昨年亡くなった故松本好雄氏から開業初年度に託された1頭。「そういった馬でG1を勝つことができて本当に光栄。G1を勝てる馬を初年度から預けてくださったことに、少しは報いることができたかなと。まだまだこれからの馬ですが、少しはいい報告ができるのではと思っています」と感謝した。
前走東海S2着が重賞初挑戦。G1級初挑戦で勝利と右肩上がりだ。賞金を加算し「JBCは間隔が詰まるので、様子を見て。来年のフェブラリーSは使いたいと思います」と青写真を描く。希望に満ちた人馬が、みちのくから飛躍を遂げる。【桑原幹久】
◆メイショウハチロー ▽父 シニスターミニスター▽母 メイショウミハル(ダイワメジャー)▽牡4▽馬主 松本好隆▽調教師 福永祐一(栗東)▽生産者 三嶋牧場(北海道浦河町)▽戦績 14戦5勝(うち地方1戦1勝)▽総獲得賞金 1億6310万7000円(うち地方8000万円)▽馬名の由来 冠名+人名より

