今年最後のブルベとして10月28日に開催されたランドヌ東京主催の「BRM1028東京200山中湖改め須走」に参加。絶好のサイクリング日和の中、勝手に付け加えたコース外の籠坂峠往復を含めた215・19キロを走ってきた。


道の駅すばしり
道の駅すばしり

 当初の予定では「2018年最後のブルべは、オリンピックコースとなる山中湖を目指しましょう。運がよければ紅葉が見れるかも」という謳い文句のコースで、等々力をスタートし、平塚、中井町、駿河小山を経由して須走へ向かい、籠坂峠を越えて山中湖へ出た後、道志みちを下って帰るというものだった。ところが10月1日の台風24号の影響のため、道志みちの青根付近で土砂崩れが発生し、長期にわたって通行止めとなった。このためコースは直前になって道の駅須走の往復となった。


 土砂崩れ区間は、道志ダム付近から青葉ブルベでも使用したバカンス村付近の細い道を通り、最後が急坂となる迂回路があるのだが、「特定の時間に自転車100台が集中することと、ブルベ経験の浅い参加者が多く、当初予定していない道幅の狭い迂回路の利用はやや危険」として回避された。なお、前日にスタートする同じランドヌ東京主催の安曇野600も最後は道志みちを下って帰ってくるのだが、こちらは「通行時間帯がバラけると思われることと、ブルべ初心者が少ないと思われること」から迂回路を利用することになった。


 オリンピックコースは道志みちから山中湖を半周した後に籠坂峠を上る。当初のコースでは反対に走ることになるのだが、それでも久しぶりに籠坂峠を上ってみたいと思いエントリーした。きつい峠ではないが、ブルベじゃないと行けない距離なものでね。


 ところが直前のコース変更で籠坂峠、(短いが)山伏峠、道志みちの神奈川県に入ってからのアップダウンが消え、獲得標高がガクンと下がった。楽になったことを喜ぶべきなんだろうが、目的の峠に行けずちょっと拍子抜けなところもある。さてどうしたものか。


 実は通行止めが判明した時点で、コースは山中湖から三国峠、明神峠を上って駿河小山に下りるものになるのではと予想していた。駿河小山側からだときついが、山中湖側からだとそうでもない。あるいは道志みちの迂回路を行くかのどちらかだと思っており、「行ってこい」は予想外だった。


 籠坂峠は11年前に1度走っただけ。その時は大観山〜芦ノ湖〜乙女峠と上った後、御殿場へ下り国道138号からアプローチ。須走口からピークまでは約30分で到達できた。ということは40分あれば往復できる。これがヤビツ峠とかだったらもちろん行かないが、距離5・9キロで平均こう配は4・8%と緩やかなことで、「ま、いいか」と須走到着の時間次第でアタックしようと決めた。


スタート地点の等々力アリーナ前
スタート地点の等々力アリーナ前

 午前3時過ぎに起床し、23キロほど走ってスタート地点の等々力へ。午前5時半から始まったブリーフィングでは、「折り返しの道の駅須走に目安となる午後0時52分に遅れても、帰りが下りなので挽回できます。なのでPCでなく(タイムを過ぎてもいい)チェックポイントにしました」と温情あるコース作りであることが強調された。チェックポイントってタイムアウトしてもいいんだと、ブルベ11年目にして初めて気がついたことは自分の胸の内にしまっておこう。


 続けて「山中湖まで8キロなのでどうしても行きたい方はどうぞ。認定に何の関係もありませんが」と挑発されたが、上り返しがあるので山中湖まではさすがに行く気にはならなかった。その程度の脚だしね。とりあえず、折り返しの目安タイムの午後0時52分までに戻ってこれる時間だったら籠坂峠に行くことにした。


 スタートが遅い組だったので午後6時ジャストに等々力をスタート。中原街道、長後街道から平塚、大井町のお山を越えて松田町へ。庶子で国道246号へ出て安戸から国道回避ルート。谷峨で再び国道に出て、生土から県道394号へ出て御殿場方面を目指すという、すべてお馴染みのルートを進む。個人的なツーリングでも散々走っている道なのでキューシートもいらないコースだ。


 この日は雲が多く、富士山は長後街道を走っている時に垣間見えたが、あとは見ることはできなかった。


富士山がうっすら頭を出した(海老名市門沢橋付近の陸橋)
富士山がうっすら頭を出した(海老名市門沢橋付近の陸橋)

【PC1 47・2キロ デイリーヤマザキ平塚北豊田店】午前8時22分(貯金59分)


 47・2キロ地点のPC1には午前8時22分に到着。貯金は約1時間とまずまず。ヤマザキがPCになるのはめったにないが、ここの前を通るたびに「手作りパン」が気になっていたので、とりあえず人気とあった「パニーニベーコンエッグ」を買ったが、予想外のうまさにびっくりした。レジ、トイレは大渋滞で相変わらずの「PC1峠」状態だったので、トイレは国道246号に出てからローソンにストップして済ませた。


平塚市豊田付近
平塚市豊田付近

富士山の絶景ポイントでも見えず(大井町の東名高速横の下り坂)
富士山の絶景ポイントでも見えず(大井町の東名高速横の下り坂)

 スタートからほぼ平たんだったこともあり常にトレインの中にいて、トイレ休憩で単独になったかと思ったが、信号ですぐに追いついた。そして国道246号の迂回コースに入り緩やかな坂でトレインのスピードが落ちたので10人ほど一気に抜いて前に。誰もついてこず「逃げ」が成功した形となりここからは単独走となった。足が合えばいいのだが、微妙に余るときはやっぱりストレスがたまる。また、トレインがあまりに長いのも気になっていた。


山北町都夫良野付近を走るトレイン
山北町都夫良野付近を走るトレイン

 生土(いきど)からは県道394号へ入る。9月に走った「朝霧高原300」でも走った道だ。ちなみに生土から先の国道246号は自転車通行禁止となっている。


生土交差点。右が自転車通行禁止の国道246号。左が県道394号。ここから静岡県
生土交差点。右が自転車通行禁止の国道246号。左が県道394号。ここから静岡県

 緩やかだった坂が小山町役場前の信号の先の急カーブで一瞬だがきつくなる。ここで2人のブルベライダーに抜かれた。ただ、その先は再び緩やかになり、時速も10キロ以上で走れるので完全に突き放されることはなかった。


緩やかで直線的な坂が続く県道394号
緩やかで直線的な坂が続く県道394号

 生土から右折する吉久保交差点までは6・6キロで平均こう配2・7%。右折して県道151号に入り、折り返しとなる標高815メートルの道の駅すばしりまでは10・5キロで平均こう配3・9%。トータル17・1キロの上りだ。こちらもほぼ直線的な上りが続いていく。吉久保交差点を右折してすぐの直線と、終盤の「オカムラ」を過ぎたあたりからきつくなってくるが、須走の街中に入ると緩くなる。貧脚でも時速10キロをほとんど割ることなく道の駅へたどりつけた。


吉久保交差点手前(小山町)
吉久保交差点手前(小山町)

緩やかで直線的な上りが続く県道151号(小山町)
緩やかで直線的な上りが続く県道151号(小山町)

滑り止めが刻み込まれた、上りがきつい区間(御殿場市)
滑り止めが刻み込まれた、上りがきつい区間(御殿場市)

一瞬、御殿場市に入るが再び小山町となる
一瞬、御殿場市に入るが再び小山町となる

速い人はもう折り返し、気持ち良さそうに下ってくる(小山町)
速い人はもう折り返し、気持ち良さそうに下ってくる(小山町)

富士浅間神社前(小山町)
富士浅間神社前(小山町)


【通過チェック 102・5キロ 道の駅すばしり】午前11時31分(貯金1時間21分)


道の駅すばしり(小山町)
道の駅すばしり(小山町)

 折り返しの道の駅すばしりには午前11時31分に到着。貯金は1時間21分とPC1からは20分ほどしか増えていない。ここで貯金を1時間半以上にしたいところだったが、緩やかとはいえ坂は坂なので時間を食ってしまったようだ。トイレを済ませてぶらぶらしていたら、美味しそうにソフトクリームを食べている先着のブルベライダーがいたので、右へならえで「牛乳ソフト」を注文。ついでにご飯を肉で巻いた「肉巻き棒」も腹に入れた。両手がふさがってしまったので写真はなく、食後に看板だけ撮影(^_^;


道の駅の売店で牛乳ソフトをゲット
道の駅の売店で牛乳ソフトをゲット

 食べ終わったのは午前11時50分ごろ。目安の午後0時52分までは約1時間ある。籠坂峠へGOだ。


 序盤に直線のきつい上りがあり、そこを過ぎると緩やかな坂が続く。そして終盤に少しきつくなり、最後は左カーブをえいやと上りきるとピーク。峠は境にあるのが普通だが、籠坂峠は山梨・山中湖町にある。標高は1107メートル。あとで下っているときの気温表示が12度だったのでややひんやりした感じだった。


 籠坂峠到着は午後0時21分。ほぼ30分で11年前とぴったり同じ。平均時速が12キロ弱ということはさておき、力が落ちてないことをよしとしよう。


緩やかな坂が続く籠坂峠への国道138号(小山町)
緩やかな坂が続く籠坂峠への国道138号(小山町)

標高1107メートルの籠坂峠(山中湖町)
標高1107メートルの籠坂峠(山中湖町)

 再び道の駅に戻ってきたときは午後0時半ごろ。往復に40分かかり貯金は20分となってちょっと焦ったが、ブリーフィングで「遅れても大丈夫」と言っていたのできっと間に合うだろう。ダメなら長後街道付近でやめればいい。武蔵中原へゴールするより、その方が自宅に近い(^_^; 


 籠坂峠往復ではブルベライダーの誰ともすれ違わなかった。2、3人には会うと思ったんだけどなぁ。みんな行かなかったの?


 さて、正規のルートに復帰。ここから生土までは17キロの下り。その先も下り基調が続く。再び大井町のお山、七国峠を越えゴールを目指す。


【PC2 158・2キロ セブンイレブン平塚北豊田店】午後2時50分(貯金1時間42分)


 158・2キロのPC2セブンイレブン平塚北豊田店には午後2時50分に到着。残りは45キロ。往路で2時間22分かかっているので5時台のゴールになるだろう。できれば4時台に帰って10時間台としたかったが、信号峠もあるしちょっと無理だ。


【ゴール 203・5キロ ローソン武蔵中原駅北口店】午後5時19分(貯金2時間11分)


 ゴール直前でナイトランとなり、武蔵中原のゴールには午後5時19分に到着。走行時間は11時間19分。籠坂峠往復を引くと、10時間40分ぐらいか。コース通り走って10時間切りを狙おうかとも思ったが、自分の実力ではどだい無理な話だった。


 さて、これで今年のブルベはこの「東京ブルベ山中湖改め須走改め(勝手に)籠坂峠200キロ」で終了。200キロを3本、300キロ、400キロ、600キロをそれぞれ1本ずつの計6本を完走した。また、このブルベが50代最後のブルベとなった。来年の12年目となるブルベシーズンは60歳で迎える。600キロが走れるかどうか(いつも)不安だが、いけるところまで頑張ってみたい。【メディア戦略本部 石井政己】