8カ月ぶりにブルベを走ってきた。参加したのは10月27日に行われた、新横浜スタートの「BRM1027あおば200キロ半原越」。だが、直前に東日本に猛威を振るった台風19号の影響でタイトルとなった半原越や牧馬峠は通行止めとなり、コースは大幅に変更。そのため獲得標高が約1000メートル減って楽なコースになったはずなのに、完走タイムは11時間台。ブルベはどんなコースでも楽じゃないんだねぇ…。いや、還暦を過ぎた身には完走できただけでも満足すべきなのか。


【コース】新横浜〜伊勢原〜土山峠〜藤野〜上野原〜甲武トンネル〜檜原村〜武蔵五日市〜梅ヶ谷峠〜青梅〜町田〜相模原〜大倉山


コース
コース

スタートは新横浜大橋の下。鶴見川を挟んだ向こうにはラグビー・ワールドカップ(W杯)の会場の日産スタジアム。この日の夕方からはウェールズ-南アフリカの準決勝が行われるが、まだ午前6時前とあって静まりかえっている。


夜が明け始めた午前6時にスタート。天候は曇り。少し肌寒い感じがするが、半袖の参加者もいる。


新横浜大橋下のスタート地点
新横浜大橋下のスタート地点

中原街道を大集団で進んで行くが、いつもの通り宮ノ下の先から始まるアップダウンであっという間に集団最後方へと下がる。しかし、市街地なのでそんなに差は付かない。下瀬谷〜和泉坂上〜畠田橋〜西沖田とブルベお馴染みのルートを進み、39・5キロ地点のPC1へは午前8時1分に到着。貯金は59分。


【PC1 39・5キロ デイリーヤマザキ平塚北豊田店】 8時1分(貯金59分)


タイム的にはまずまずか。相変わらずの大混雑なので、レジの前で目に付いたカツサンドを素早く買い、口に放り込んでリスタートした。


実は同日に行われたランドヌ東京の「BRM1027東京200km山中湖(改め須走)」(道志みち通行止めでコース変更)がスタートは等々力だが、中原街道の地蔵尊前からまったく同じルートを進むことになっていた。46・7キロ地点となるPC1も同じ「ヤマザキ」だったが、これは直前に手前の「セブンイレブン」に変更されていた。さすがに200人弱が一挙に殺到すると大迷惑だし、パニックになりかねない。


この後は伊勢原から宮ケ瀬方面に向かい、リッチランドから半原越というコースだったが、そのまま直進して土山峠へ向かうコースに変更された。そして、宮ケ瀬からはそのまま下って国道413号を進み、阿津を右折し、大垂水峠を下った先の国道20号に出て藤野へ向かう。多少のアップダウンはあるが峠はない。当初の予定では半原越から下った後、宮ケ瀬へ上り返し、鳥居原から小さい峠を越え、さらに牧馬峠を上り、やまなみ温泉へのアップダウンなどを経て藤野へ向かうという、上りたっぷりのコースだった。


土山峠
土山峠

藤野からは同じコースになるのだが、トータルの獲得標高はここまでで約1000メートル違う。ところが94・4キロ地点のPC2「セブンイレブン山梨上野原店」到着は午前11時4分で、貯金は1時間12分とあまり増えていない。最低でも2時間の貯金があり、どこかでゆっくりランチが食べられるかもと踏んでいたが、とんでもない。半原越、牧馬峠のコースだったらタイムアウトの危機だったかもしれない。


ただ、最後にあると思っていた上野原駅への上りがなかったことは嬉しい勘違いだった。平たんなまま国道20号の新町へ出た時は歓声をあげた。


旧甲州街道
旧甲州街道

【PC2 94・4キロ セブンイレブン山梨上野原店】 11時4分(貯金1時間12分)


これからこのブルベ最大の難所甲武トンネルへ向かう。お昼どきだったが、できるだけ軽量で上りたいので補給は軽めにした。


甲武トンネルのピークまでは国道20号から9・6キロ。最初は緩やかで下りもあるが、残り4キロの棡原郵便局を過ぎ、左へカーブするところからこう配が急になる。この区間の平均こう配は7・4%。この春に10速から11速に替え、インナーローは「34×30」となっているがそれでも足が重い。時速も歩くよりちょっぴり速い程度。2人に抜かれ、105キロ地点となるピークには正午ごろになんとかたどり着いた。すべてを出し尽くし足は終わった感じで、この先の残り100キロに厳しい上りはなくブルベは終わったも同然だったが、平たんでも遠いなぁと感じた。やはり8カ月のブランクは大きい。しかし、こんな調子では400キロや600キロはとてもじゃないが走れそうもないなと、ため息。


甲武トンネル
甲武トンネル

土山峠もそうだったが、甲武トンネルも所々で出水があり、下りでは土砂崩れのために片側通行となっている箇所があった。


檜原村の食堂はチェックしていたが、駐車場を見るとどこも混んでいる。入ってしまうと30分以上かかりそうだったので、素直に次のPCでがっつり補給することにした。


武蔵五日市駅まではほぼ下り。その先に最後の峠の梅ヶ谷峠がある。小さな峠で距離も短い。休日のツーリングではここを通って青梅や名栗方面へ向かっている。ピーク直前は確かにきついが、なんてことない峠だ。ところがこの日は違った。手前のアプローチからきつい。なんのことはない。甲武トンネルで足はすでに売り切れていたのだ。ハンガーノックもあったかもしれない。


この峠はほぼ直線で上って行くため先が見えるのだが、最後の数百メートルで顔を上げてみると、本当に壁に見えた。まいった(T_T) ただ、最後の700メートルは平均こう配が7%近くあり、決してたやすい峠ではないのも事実だが、単品では少し頑張ればクリアできる峠も、ブルベのように束になってかかってこられるときつい。


梅ヶ谷峠
梅ヶ谷峠

【通過チェック 135・6キロ セブンイレブン青梅畑中3丁目店】 13時30分(貯金1時間34分)


やっとの思いで上りきり、次の通過チェックへは午後13時30分に到着。貯金も1時間34分とたいして増えていない。このペースだと11時間台でのフィニッシュになるだろう。最後が市街地なので頑張っても10時間台には届きそうもない。


【PC3 162・0キロ ローソン町田法政大学前店】 15時3分(貯金1時間51分)


今回のブルベはPC1とPC2の間にも通過チェックがあり、トータルで5回のコンビニストップとなる。30キロ程度走っただけで堂々と休めるのはヘタレ足にとっては嬉しいが、逆にこれが200キロにしては時間がかかった原因かもしれない。


相模原を五輪が走る
相模原を五輪が走る

【フィニッシュ 200・0キロ セブンイレブン横浜大倉山店】  17時24分(貯金2時間6分)


青葉ブルベといえば、発着は稲城の大丸公園。西へ向かうコースではゴール前は尾根幹のアップダウンが待っている。ところがこの日のゴールは大倉山駅周辺。132・6キロ地点の梅ヶ谷峠を過ぎてからはほぼフラットだ。足も徐々に回復し、クルクル回せるようになってきた。「もう上らなくていい」と思うと気が楽だ。それに距離が200キロピッタリなのも嬉しい。


ゴール
ゴール

横浜の都筑区に入ったあたりから暗くなり始め、最後はナイトラン。ゴール直前でミスコースしたが、数百メートルのロスで済み、午後5時24分に無事ゴール。タイムは11時間24分で最終的な貯金は2時間6分。60歳最後のブルベは無事終了。今年は所用のため2回しか走れなかったが、来年は再びシューペル・ランドヌール(スーパー・ランドナー=SR)を目指して走ろう。【メディア戦略本部デジタル編集部 石井政己】