東京オリンピック(五輪)自転車ロードレースのコース上に掲げられている巨大なピクトグラムの横断幕をようやく目にすることができた。神奈川・相模原市の相模川上流にかかる小倉橋近くにあるのだが、同市では9月6日まで掲出の予定としていたので、五輪後の休日が雨続きとなり多少焦っていた。
訪れたのは8月下旬の平日。どうせならと12キロ付近の南多摩尾根幹線(通称尾根幹)の多摩東公園交差点からオリンピック・コースを走って行くことにした。実はコース発表後の18年秋にスタート地点の武蔵野の森公園(東京・府中市)から町田街道にぶつかる25キロ付近の多摩ニュータウン交差点までトレースしたが、序盤の市街地を回るところはサイクリングとしてはあまり楽しいものではない印象があったので、少しはましになる尾根幹から走り出すことにした。
一本杉球場の手前を右に曲がって緑に囲まれた道を下るあたりまではまずまず気持ちいいが、多摩ニュータウン通りは信号が多く、さらに町田街道へ入ると一気に道が狭くなり路肩もほとんどなくなるので走りづらい。津久井道へ入ってもそれは同じ。だがここを今年のツール・ド・フランス王者のタデイ・ポガチャル(スロベニア=UAEチームエミレーツ)やプリモシュ・ログリッチ(スロベニア=ユンボ・ビスマ)、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン=モビスター)らスーパースターが走ったと思うと、3年前に時と比べて気分が断然違う。
SNSで一躍有名になったラーメン店のある風景は多摩ニュータウン通りにあった(^o^) 1週前にツール・ド・フランスを走った選手たちがここを走るのは、確かに不思議な感じがする。
久保沢交差点を左へ曲がり、小倉橋へ向かって下り続ける。途中で右手に横断幕が垣間見えるようになり、気分が高まる。
橋の手前は下りながらUターンでぐるっと回る急カーブで、橋自体も車はすれ違えないほど幅が狭い。よく集団がすんなり通れたもんだと思っていたが、映像で確認すると縦一列になりもの凄いスピードで通過していた。
横断幕の反対側に階段があり、ここに自転車を止めて撮影会。SNSにアップされていたようにピクトグラムに自転車を合わせて撮ろうとしたが、微妙にずれる(T_T)
小倉橋は雰囲気はいいが、狭いし、降りてしまうと急な上りが待っていることになるのでこれまでも数回しか通ったことがなく、上にある新小倉橋経由がほとんど。でもたまには通ってみたくなった。横断幕が撤去されれば普通の風景に戻るのだろうが、何かモニュメントみたいなものを残して「サイクリストの聖地」にして欲しい。ここから串川橋交差点〜青山交差点〜道志みち〜山中湖はサイクリングには最高のコース。個人的な意見だが、ぜひ五輪のレガシーとしてもらいたいものだ。
この後は串川橋まで走って国道412号へ。関交差点でオリンピック・コースに別れを告げ、左へ曲がって宮ケ瀬へ。「宮ケ瀬湖ダムカレー」を食べようと思っていたがお店はコロナ禍で臨時休業中。ならば土山峠を下り、道の駅清川で地元ブランドの恵水ポークの豚丼にしようか。ロース並盛りはしつこくなくて年寄りには腹いっぱいの量だった。満足。【メディア戦略本部デジタル編集部 石井政己】