厳道(がんどう)峠はその名の通り、厳しい道だ。数年前のブルベで道志みち側から上ったが、序盤で早々と足付き。ピークまで2キロほどを押し歩きした。振り返ると坂は慣れている(好き?)だろう参加者のほとんどが歩いていた。そんな恐るべき峠道に性懲りもなく再びアタック。といってもリベンジではなく、「少しは楽かな」と今回は逆の秋山側から8月下旬の猛暑の時にトライしてみたのだが…。


今回のコース
今回のコース

山梨県にある厳道峠は上野原市秋山と道志村をつないでいる。つまり、神奈川・相模原市の牧野から雛鶴峠を経て山梨・都留市へ続く「鎌倉裏街道」(県道36号)と、同じく神奈川・相模原市の青山から山伏峠、山中湖と続く、オリンピックコースともなった道志みち(国道413号)という、サイクリングでは人気の2つのコースを結んでいる。これが楽に行き来できれば、新たな楽しい世界が広がりそうだ。


アプローチは秋山温泉の入口から。最初ややきつめの坂があるが、やがて安寺沢(あてらざわ)川沿いに緩やかな上りの道が続くようになる。車がほとんど通らないのどかな道。江戸時代の米や雑穀の倉庫「郷倉」や、蛍の里が道中に現れる。穏やかな日の光にも包まれ、これぞサイクリングの気分を満喫。


秋山温泉入口
秋山温泉入口
安寺沢の郷倉
安寺沢の郷倉
安寺沢川沿いののどかな風景
安寺沢川沿いののどかな風景
蛍の里
蛍の里

5キロほどのんびりと走ると分岐に到着した。右は金波美(かなはみ)峠、直進は厳道峠とある。ここからが坂本番だ。


直進は厳道峠、右は金波美峠
直進は厳道峠、右は金波美峠

まずは右手の金波美峠へ足慣らし。いきなりこう配がぐいっと上がった感じで、それがずっと続く。落石が多く走りづらい。おまけに山の南にある道なので日陰がなく、暑くてたまらない。汗びっしょりでトンネルへたどり着いた。分岐から距離2キロ、平均こう配は7.7%。最大こう配は12%。いや、ここもきついよ。


金波美峠への上り
金波美峠への上り
金波美トンネル
金波美トンネル
Uターンして再び分岐へ
Uターンして再び分岐へ

Uターンして再び分岐に戻り、いよいよ厳道峠へと向かう。少し上るとコンクリート舗装の直線の上りが出現。これが続くと道志側と変わらない。こちら側もやっぱり無理か、歩こうかと観念したが、その後はコンクリート舗装はなく、きついながらも何とか頑張ることができた。ただ、そろそろピークかなと思った時に、「ここから安寺沢林道」という看板を見たときはショックだった。


道はやはり落石だらけで、崩土や砂利もあり非常に走りづらい。ヤモリもあちこちから出てきて競争を仕掛けてきた。ただ、金波美峠と違って日陰が多かったので助かった。


分岐から距離4キロ、平均こう配8.4%。最大こう配14.9%。これじゃ33分もかかるわけだ。なんとか歩かず上れたが、こちらも厳しい道に変わりはなかった。


厳道峠ピーク
厳道峠ピーク
道志側への急坂を警告する案内板
道志側への急坂を警告する案内板

道志側へそのまま降りたが、道志みちまではすべてコンクリート舗装で、距離2キロで平均こう配14.1%。ブレーキを持つ手も痛くなる急こう配で、下るのも嫌になった。上りも下りもきつすぎる。サイクリングの新たな世界は閉じられた(T_T)


実はピークから少し下ったところに左手へ伸びるアスファルト舗装の綺麗な道があった。残念ながらこの日は通行止め。調べて見ると「野原林道」といい、上りの中盤からは眺めも良く、コンクリート舗装の道よりは多少こう配が緩いようだ。といっても10%超えらしいが…。帰路の際に道志みちからの林道入口付近を確認すると、工事は29日までとあった。紅葉のころにまた来るかな。


道志側の厳道峠への入口
道志側の厳道峠への入口
近くには久保の吊り橋
近くには久保の吊り橋
ランチは手作りハンバーグ
ランチは手作りハンバーグ

ちょっと遅いランチは相模原まで戻って「手作りハンバーグ」を注文。カツレツのお店だったが、こちらがなぜか魅力的だった。冷水をピッチャーごとど〜んとテーブルに置いてくれたのはありがたかった。【メディア戦略本部デジタル編集部 石井政己】