待ちに待ったE-Bike試乗の時が来た!
なんだかんだうんちくを並べてみたがほとんどはネットの知識。実際にE-Bikeに乗って動かなければ何も始まらない。まずはどんな種類のE-Bikeがあって、僕の旅にはどんなタイプが合っているのか、まずは試乗だ。
今回お世話になるのは代官山モトベロ(https://www.motovelo.co.jp)。電動アシスト自転車の専門店で、試乗できる電動アシスト自転車は30台以上。これは日本屈指の台数。ドビギナーである僕は、マスクでわからないと思うが実は不安でいっぱい(笑)。
そこで今回はE-Bikeの知識豊富なスーパーバイザーの村上さんが、サポートをしてくれることになった。気になることをいろいろ質問してみるが、その都度明確な答えが返ってくる。安心して相談できそうだ。
最初に出してくれたのがBESV(https://besv.jp)のJF1。フラットバーを採用したクロスバイク風のE-Bikeで、バッテリーが内蔵されたデザインがオシャレ。そして16.1キロと軽量。特性や扱い方などを聞きいて、いよいよ試乗となる。
少し緊張しながら跨る。
こぎ始めるとペダルが軽く、どんどん進んで行く。でも何だかアシストされている感じがないぞ~と思いながら液晶ディスプレーをのぞくと「off」モードになっていた(笑)。
弱い方から「エコ」「スマート」「パワー」の順にモードを変えて行くと、アシスト力が強くなるのがよくわかる。正直なところ「エコ」だとアシストしているのがよくわからないが「パワー」になると強力で、補助してくれるのがよくわかる。「なるほどね、こういう感じなのか」と納得する。
もう20年以上前になるが電動アシスト自転車に乗ったことがあった。その時は「透明人間が後ろから押しているか!?」と思わず後ろを振り返ってしまうくらい、アシスト力が強く、違和感があった。あまりに昔過ぎるんだけど、いまのE-Bikeはアシストの加わり方がとてもスムーズで自然なことがわかった。その辺のストレスはなさそうだ。
次が日本の老舗自転車メーカー、ミヤタサイクル(https://www.miyatabike.com)のクルーズ。スタイルはほぼ同じだが、こちらはバッテリーが剥き出し。鍵も標準で付いているのでシティサイクルに近い雰囲気。車重は18.7キロ。跨りこいでみるが、正直なところJF1と大きな差は感じなかった。
次に出てきたのが今回最も乗りたかったBESVのJR1。違いはドロップハンドルで変速ギアが22速あるロードモデルであること。軽快な走行を重視していてタイヤも前の2台に比べて細く、車重も15.7キロと軽い。
走りだすと軽量で前傾姿勢になることもあり、ついついスピードを出したくなってくる。するとあっという間に時速24キロをオーバー、アシストなし状態になった。こぎながら「これじゃ普通の自転車と同じじゃん、E-Bikeにする意味がないぞー」と笑った。
ドロップハンドルは握る位置をいろいろ変えることで腕の疲れを軽減できるし、ポジション的にもペダルに力が入りやすい利点がある。長距離走行とドロップハンドルはとても相性がいいのだ。ただロードバイクは荷物をたくさん積んで走るのは苦手、段差を越えたり悪路などもあまり得意ではない。
どちらにしても最も旅気分を盛り上げてくれたのはJR1だった。
僕が自転車ツーリングに夢中になっていた10代、乗っていたのがドロップハンドル車だった。ドロップハンドルを握っているだけで、自由な世界へ向かって無心でペダルをこいでいた少年時代がよみがえって来る。あの頃のように風を切ってペダルをこぐ自分の姿を想像すると胸が熱くなる。現実を考えるとどこまで体がついてきてくれるかわからない。それでも僕を夢の場所へ連れて行ってくれるのは、この体だけ。
E-Bikeを試乗しながら、そんなことを考えていた。
◆藤原かんいち(ふじわら・かんいち)1961年5月9日、岩手県生まれ。職業は旅行家&イラストレーター。1987年より原付バイクで世界5大陸の旅。2004年~08年に電動バイクで世界一周。国内外の総旅行日数は3900日、総距離40万キロ、訪問国は94か国に及ぶ。公式サイトhttps://www.kanichi.com/