今年の桜は例年よりも1週間以上早く満開、僕が住む神奈川の地元も3月28日に満開。その後も桜前線はハイペースで北上している。この季節は桜以外の花々も咲きはじめる。景色を色鮮やかに彩る花の季節、いまだから見られる景色を探しに行こう。

近郊の桜の名所のひとつに、相模原市緑区の北部の『城山湖(本沢ダム)』があることがわかった。小高い山の上にある小さな人口湖で、その存在は知っているが桜の景色は見たことはない。よし、E-Bikeで行ってみよう。

自宅から約20キロ。距離的にバッテリーを使い切る心配はなさそうなので、強いアシストが得られるHIGHモードでグイグイ進んで行く。上り坂や寄り道、回り道をしても体力のことは気にしなくていいのがE-Bikeの良いところ。5分ほどで桜並木の通りに出た。見たところ、全体の半分くらい咲いている木、ほぼ満開の木などいろいろ。同じ場所でも咲き方には個体差があるようだ。それにしても今日は雲一つない青空。青に桜がよく映える。


桜の木の下でひと休みするE-Bike
桜の木の下でひと休みするE-Bike

桜の季節はあっという間に過ぎて行った
桜の季節はあっという間に過ぎて行った

次に訪れた散歩コースのひとつ『道保川公園』は5~6分咲きという感じだった。相模川沿いにも桜の木があったような気がしたので行ってみる。高田橋の近くの土手の遊歩道にやはり咲いていた。桜の季節になって初めて、そういえばあそこも、もしかしてあそこも、という感じで桜の木に気が付く。

3、4年前に妻と花見に行った相模川上流の『上大島キャンプ場』へ行ってみると、満開に近かった。桜が咲く木の下でキャンプができたら最高だろうな。いまは密を避けるため花見等はできないが、コロナ禍が収束したら花見キャンプを実現したい。


桜が咲く上大島キャンプ場にて
桜が咲く上大島キャンプ場にて

相模川にかかる諏訪森下橋と桜
相模川にかかる諏訪森下橋と桜

菜の花畑の道を行く
菜の花畑の道を行く

国道413号を津久井湖方面へ向かう。都井沢の信号を右折すると、緩やかな上り坂が始まる。住宅地を抜けると竹林になり、一気に景色の色が変わった。道はひたすら上り坂。ギアチェンジをして、最も走りやすいポジションを探す。2つ目の信号を越えると周りはさらに深い雑木林になった。この坂を上り切ったところに城山湖があるはず。そう思いながらペダルをこぐ。

少しずつ視界が開けてくる。山の斜面に沿って植栽の木が並ぶ。『本沢梅園』と書かれているので、少し前は梅の花が辺り一面に咲いていたのだろう。さらに進むと右手に大きな駐車場と公園、売店らしきものもある。そのまま進んで行くと城山発電所。発電所を回り込むように坂道が延びていて、あちこちに桜の木がある。桜を眺めながら坂道を上って行くと高台に出た。金網の向こうに城山湖が見えた。

その景色はまさに絶景。眼下に豊富な水をたたえる湖、その湖畔の一角に寄り添うように桜が咲いている、そのまま視線を上げると緑の山々が周りを取り囲み、さらにそのすべてを包み込むように、美しい青空がどこまでも広がっている。


想像以上だった城山湖の絶景
想像以上だった城山湖の絶景

平日なので比較的人は少なかった
平日なので比較的人は少なかった

写真を撮っていると後方から「きゃぁぁっ、スゴーイ。きれい!」「みてみて、湖が見える」「あっ、桜が咲いてる!」「失敗した、カメラ持ってくればよかった!」「悔しい~」女性の元気な声。振り返ると子供たちを引率する先生の声だった。その気持ちが痛いほどわかる、美しい景色だった。

この日の桜は6~7割咲き。満開の頃にもう1度見たいと思い、5日後に再びE-Bikeで出かけた。天気はいまいちだったが、桜以外にチューリップやポピー、オオアラセイトウ、菜の花、水仙、ハナニラ、タンポポなど… さまざまな花たちと出合うことができた。まさに、幸せなフラワートリップとなった。


季節を感じる花のひとつチューリップ
季節を感じる花のひとつチューリップ

道の周りを美しく彩る花々に足を止める
道の周りを美しく彩る花々に足を止める

カラフルな花が咲き乱れるポピー畑
カラフルな花が咲き乱れるポピー畑