30日間で3700キロをE-Bike(YAMAHA WABASH-RT)で走り切り、佐多岬~宗谷岬の日本縦断を果たした、旅行家藤原かんいち。前例のないE-Bikeによるチャレンジ。運動不足の61歳の中年男にできるのか!? 一体どんな旅だったのか!? 激動の30日間を旅日記で振り返ります。


福島県の国道4号沿いで見つけた巨大な白河だるまのオブジェ
福島県の国道4号沿いで見つけた巨大な白河だるまのオブジェ

 Day21 2022/06/05

金沢市を出てから『千里浜ドライブウエイ』や『親不知』、『久比岐自転車道』などの日本海沿いを走り、内陸では国道日本一の高さを誇る『渋峠』。さらに『金精峠』を越えて戦場ヶ原、中禅寺湖などを通って『いろは坂』と、この4日間は景色と自然がダイナミックに変化する、我ながら素晴らしいルートだった。

那須塩原で宿泊したホテルは以前、熊本県八代市と同じトレーラーハウスを使用した、新スタイルのホテルだった。簡単に設営できて、災害時には仮設住宅としても使えることから最近増えているらしい。今回の宿はさらに進んでいてチェックインはタブレットで入力するだけ、完全に無人対応。部屋もきれいだし、とても便利だが、人との触れ合いがなく味気ないのも事実。ただ『いま』を感じるのが旅という意味では面白い宿だった。


那須塩原ではトレーラーハウスを使ったホテルに泊まった
那須塩原ではトレーラーハウスを使ったホテルに泊まった

国道4号を北上する。幹線道路だが、那須塩原の周辺は田んぼが広がっていてのんびりムード。快晴であれば西に雄大な那須連峰の山並み見えるのだが、今日は雲に隠れて見えない。しばらく走ると県境が見えてきた。ゲートをくぐって福島県へ、いよいよここから東北だ。


残念ながら那須連山は雲に隠れて見えなかった
残念ながら那須連山は雲に隠れて見えなかった
福島県入り。今日は朝からほとんど国道4号線。小さな変化がうれしい
福島県入り。今日は朝からほとんど国道4号線。小さな変化がうれしい

福島県最初の町が白河市。白河といえばラーメンが有名。たまには名物も食べたいなと思いながら走っていたら、適当な店がなく、そのまま市内を抜けてしまった。「くそ~っ…」諦めかけたところで『ラーメン』ののぼりを発見。やった。すぐにお店に入った。昼前なのにほぼ満席状態、どうやら人気の店らしい。醤油ラーメンを注文すると、鶏がら醤油スープに幅広縮れ麺、僕がイメージする通りの白河ラーメンが出てきた。好みの味だったので、休まず一気に平らげた。


シンプルだけど奥が深い白河ラーメン。縮れ麺と醤油ベースのスープの相性はバッチリ
シンプルだけど奥が深い白河ラーメン。縮れ麺と醤油ベースのスープの相性はバッチリ
国道4号を走っているときに偶然見つけて入ったラーメン屋『一休』。おすすめです
国道4号を走っているときに偶然見つけて入ったラーメン屋『一休』。おすすめです

ひたすら国道4号を走っていると、前方の陸橋下で足を休めている荷物満載の自転車の姿があった。途中で何度か見かけた日本一周の人かも。止まって声をかけるとやはりそうだった。関西出身の『ちゃん』くん、旅に出て66日目。ふたり旅だが今日は相棒とは別行動、郡山のホテルで合流する予定だという。

おしゃべりとしていると自転車が1台現れた。それも荷物満載。えっ、もしかして、君も?と思ったら 彼もまた日本一周中の旅人だった。道端で日本一周&縦断をしている旅人が3人も、こんな偶然ある? 3人で顔を見合わせ笑った。彼は『カンタ』くん。九州出身の大学生で、休学して旅をしているという。僕が初めて日本一周をしたのもふたり同じ位の年齢だった。学生から社会へ、現実と夢のギャップに激しく揺れ動く年頃。この旅の経験は必ず、ふたりの明るい未来に繋がっているはず。ふたりと過ごした時間はとても貴重な時間だった。


自転車で日本一周中の右『ちゃん』と左『かんた』。ふたりとも20代。良い旅を!
自転車で日本一周中の右『ちゃん』と左『かんた』。ふたりとも20代。良い旅を!

ふたりと別れ走り出す。日本縦断も終盤戦に入り、少し疲れが出てきた。片付けなければいけない仕事もたまってきたので、今日は早めに切り上げることにする。ネットで検索すると郡山市内に手頃な値段のビジネスホテルがあったので、すぐに予約を入れた。

久しぶりに日が暮れる前にチェックイン。洗濯などしながら気になっていた天気予報をスマホでチェック。実は今日から天気が下り坂で、明日から3日連続『雨』予報が出ているのだ。時間を空けて何度か確認したが、天気予報の雨マークは消えず。溜息と共にベッドに入った。


■日付:2022年06月05日

■走行距離:82.2km

■ここまでの総走行距離:2,501km

■ルート