2階にあるトニーズ・オン・ザ・ピアは、ピア全体を一望できるロケーションで人気
2階にあるトニーズ・オン・ザ・ピアは、ピア全体を一望できるロケーションで人気

 ビーチシティのロサンゼルス(LA)には様々なビーチがありますが、ローカル色が強く、ほとんど観光客に知られていないのがレドンドビーチです。ロサンゼルス空港の南に位置するレドンドビーチは、LAの中心地から離れていることもあり、サンタモニカやベニスビーチなどと比べるとマイナーで、観光ガイドブックにもほとんど載っていませんが、レトロな雰囲気が楽しめる穴場スポットです。中でもピアは新鮮な魚介類が食べられるレストランやマーケットがたくさんあり、桟橋では釣りを楽しむ人がいたりと、ローカルの人たちの暮らしぶりをうかがうことができます。

近代的な桟橋と木造の桟橋が融合したユニークなピアは、地元の人たちでいつも賑わっています
近代的な桟橋と木造の桟橋が融合したユニークなピアは、地元の人たちでいつも賑わっています
桟橋の上で夕日を眺めながら過ごすのは最高の贅沢です
桟橋の上で夕日を眺めながら過ごすのは最高の贅沢です

 ピアというと海に向かって真っすぐ伸びる桟橋が一般的ですが、ここはちょっと変わった形をしていて、古い木造の桟橋と新しいコンクリートの桟橋が合体して一つのコミュニティーを作りあげています。最初のピアが作られたのは1889年で、その後、1895年と1903年に新たなピアが増設され、今も木造の桟橋の一部に当時の面影を感じることができます。ピアにはその場で生きたカニやアサリ、エビなどを蒸してくれるシーフードレストランや、目の前で生牡蠣やウニなどの殻を割って食べさせてくれるフィッシュマーケットもあり、かしこまらずに新鮮な魚介類をリーズナブルに楽しみたい人にはおすすめです。

ゆでたての生のカニを豪快に食べられるのもレドンドビーチのピアならでは
ゆでたての生のカニを豪快に食べられるのもレドンドビーチのピアならでは

 マーケットではその場で好きな魚を調理してもらうこともできますが、生の魚介類や蒸したてのカニを買って帰ることもでき、いつも地元の人で賑わっています。また、海を眺めながらロマンチックに食事を楽しみたいという人には、桟橋の先端にあるファンシーなステーキハウスが人気で、優雅な気分が堪能できます。他にも360度海を見渡せるバーが自慢のトニーズ・オン・ザ・ピアは、夕日を見ながらシーフードとお酒を楽しむにはもってこいの場所。こちらは50年以上の歴史を誇る地元では有名なレストランで、夕暮れ前からビールを片手にのんびり過ごす人でいつも賑わっています。

夕暮れ時に散歩をするのもロマンチックでおすすめ
夕暮れ時に散歩をするのもロマンチックでおすすめ
釣りを楽しむ人たちで賑わうピア
釣りを楽しむ人たちで賑わうピア

 ピアでは魚釣りを楽しむことができ、クローカと呼ばれるニベ科の魚やメバル、サバなどが釣れます。アメリカでは通常、ビーチや湖、川で釣りをするには許可書が必要ですが、ピアは許可書がなくても誰でも釣りを楽しむことができるので、バケツ一杯に釣った魚を入れている人もたくさんおり、今晩のおかずを釣りに来る人もいます。釣竿のレンタルや海釣りを楽しみたい人向けにスポーツフィッシングのボートレンタルもあるので、本格的な釣りも楽しめます。また、昔ながらの雰囲気を残すアーケード街も健在で、お土産店やゲームセンターもあり、週末は子供連れで賑わいます。

木造部分は昔ながらの雰囲気を今も残しています
木造部分は昔ながらの雰囲気を今も残しています

 レドンドビーチは1892年に市制が施行されて以降、大型リゾートホテルや世界で一番大きな屋内海水温水プール、木造ジェットコースターなどが建設され、1940年代初頭までは避寒地として人気のリゾート地だったといわれています。その当時の面影はもう残っていませんが、現在はピアから南へと続く長い海岸沿いはハイキングやサイクリングの人気コースになっていますし、すぐ近くにはピクニックができる海に面した公園もあり、地元の人たちの憩いの場になっています。ピアやビーチ周辺は、数々のドラマや映画のロケ地にもなっており、特に2003年から07年にかけて放送されたドラマ「The O.C.」には様々な場所が登場しており、今でもロケ地巡りを楽しむファンが大勢います。他にも「24-TWENTY FOR-」や「ベイウォッチ」、映画「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」(07年)や「トランスフォーマー」(07年)などのロケも行われているので、ロケ地探しをしてみるのも楽しいですよ。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。日刊スポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)