今年もハロウィーンの季節がやって来ました。ここアメリカではハロウィーンと言えば、毎年子供たちが楽しみにしている「トリック・オア・トリート(お菓子をくれないとイタズラしちゃうぞ)」がやっぱり盛り上がります。
仮装した子供たちが近所の家や街を練り歩いてお菓子をおねだりするというものですが、お化けカボチャ「ジャック・オー・ランタン」のバスケットがいっぱいになるほどたくさんのお菓子がもらえる特別な日なので、ハロウィーンに備えて多くの家で子供たちが喜びそうなお菓子を用意しなくてはいけません。たまにお菓子を用意していないからと、部屋を暗くして居留守をつかう人もいるなんて話も聞くほど、アメリカでは広く定着しているイベントです。
そのため、この時期になるとスーパーマーケットにはハロウィーン向けのお菓子がたくさん並びます。スニッカーズやM&M’sなど有名ブランドのお菓子もパッケージがハロウィーン仕様になり、小分けしやすいチョコレートやキャンディーがたくさん入った大袋のお菓子もいっぱい売られています。
アメリカらしく、オーガニックのグミやキャンディーもありますが、手作りお菓子を配る人向けにクッキーやマフィンを作るためのキットなどもたくさん見かけます。最近は甘いものだけでなく、ポップコーンやチップスなどのスナック菓子も人気で、どれにしようか迷うほど種類が豊富です。
これから10月末にかけて、ロサンゼルス(LA)でもハロウィーンのお菓子選びをする人でスーパーマーケットはにぎわいますが、ハロウィーン当日はドラキュラやゾンビの格好をした店員がレジに立っていたりするのもアメリカらしい光景です。
とはいえ、一晩で100個を超えるキャンディーやチョコレートをもらう子も多く、砂糖たっぷりのお菓子を大量に子供に与えることに躊躇(ちゅうちょ)する親も少なくありません。好き嫌いもあるので、子供同士で集まってお菓子の交換大会をしたりもするようですが、アメリカらしく大量にもらったお菓子を寄付することもできます。
祖国を離れて海外の米軍基地に駐留している兵士たちにもハロウィーンを楽しんでもらうために不要なお菓子を集めて送るチャリティー団体がある他、トリック・オア・トリートに行けない病気の子供たちを支援する団体では重病の子供やその家族のために不要なお菓子の寄付を受け付けていたりもします。また、歯科医では不要なお菓子を持ち込むと歯ブラシやクーポン、歯磨き粉などと交換してもらえたりもするので、たくさんもらったお菓子を寄付している家庭も少なくありません。
子供はトリック・オア・トリートを楽しむ一方、大人は?というと、仮装パーティーやパレードに繰り出して楽しみます。ハロウィーンの時期になると大人向けにはお菓子ではなく、パンプキンの果肉やシナモンやナツメグなどパンプキンパイに使うスパイスを使った「パンプキンビール」が店頭に並びます。また、バーでもハロウィーンをイメージした真っ赤なカクテルやスモーキーなカクテルなど特別メニューも用意されており、大人ならではの楽しみもあります。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)