クリスマスまで2週間となりましたが、今年はサプライチェーン問題による品不足や価格の高騰が消費者を直撃しています。クリスマスの2カ月以上前からテレビなどのメディアでは、「今からクリスマスショッピングを始めましょう」「気に入った物を見つけたら即買いしましょう」などクリスマスショッピングの前倒しを推奨する異常事態となっていましたが、今年はクリスマスギフトだけでなく、クリスマスに欠かせないクリスマスツリー不足も深刻です。

クリスマスツリーが並ぶ期間限定ショップは冬の風物詩
クリスマスツリーが並ぶ期間限定ショップは冬の風物詩

例年なら11月下旬になると街中の空き地や駐車場などあちらこちらに期間限定で生のクリスマスツリーを売るマーケットが登場し、ツリーを買い求める人たちで賑わう光景は風物詩にもなっていましたが、今年はそうしたツリー売り場を見かけることが減っています。サプライチェーン問題に加え、気候変動による異常気象がクリスマスツリー農家に大きな打撃を与えたことが要因です。さらに、コロナ禍による巣ごもり需要で昨年、木を予定より多く伐採しすぎたことも今年のツリー不足に拍車をかけているといいます。それに加え、全米規模のトラック運転手不足から伐採した木の輸送コストもかさみ、二重苦に陥って今年の販売を断念したツリー農家もあると言われており、例年の3割増しから倍近くなるなど価格が高騰しています。

無造作に並ぶツリーの中から好みの大きさや形を選ぶのが毎年の楽しみという人もたくさんいます
無造作に並ぶツリーの中から好みの大きさや形を選ぶのが毎年の楽しみという人もたくさんいます
8~9フィートのツリーが189ドルで、もっとも多いサイズです
8~9フィートのツリーが189ドルで、もっとも多いサイズです

アメリカでは、毎年使えるプラスチック製よりも香りの良い生の木の方が人気が高く、大きさや木の種類を考えながら毎年お気に入りのクリスマスツリーを探しに出かけることが恒例行事となっている家庭も多くあります。全米には50種類以上のクリスマスツリーがあると言われていますが、南カリフォルニアではダグラス・ファーとノーブル・ファーの2種類のモミの木が主流で、ここロサンゼルス(LA)では枝が長くて香りが良いノーブル・ファーが人気です。しかし、モミの木の産地として知られる北カリフォルニアやオレゴン州は今夏、異常気象による熱波に見舞われ、山火事も発生。火事による煙や干ばつ、水不足などの影響を受け、ツリーの生育が悪く、今年は大きなツリーほど不足しているといいます。また、北カリフォルニアのあるツリー農家では南カリフォルニア向けに出荷予定だったノーブル・ファーが山火事で焼失する被害に遭って全滅した他、オレゴン州でも90%の木が夏の熱波の影響でダメージを受けて伐採できなかった農家があったと伝えられています。

形も様々なので気に入った物を探すのも楽しみの1つ
形も様々なので気に入った物を探すのも楽しみの1つ

今年は全米の75%の家庭がクリスマスツリーを飾る計画であると報じられており、価格が高騰しても需要は依然として高いため、各地で争奪戦が始まっています。12月初旬に筆者の自宅近くのツリー売り場をのぞいてみた際には、8~9フィート(約243~274センチ)のノーブル・ファーが189ドルで売られており、それより少し小ぶりな149ドルのツリーが売れ筋となっていましたが、ひっきりなしに訪れる家族連れが次々と購入していました。3~4フィート(91~121センチ)の小さなものは39ドルとお手頃ですが、こちらはすでに残りわずかな状況になっていました。ツリーの生育には7~10年の歳月がかかるため、来年以降もこの状況は続くと予想されていますが、コロナ禍の影響はこんなところにも出ているようです。

ハリウッドの中心地「ハリウッド&ハイランド」に飾られた今年のツリー
ハリウッドの中心地「ハリウッド&ハイランド」に飾られた今年のツリー

(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)