新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着き始めたアメリカでは、マスク着用義務を解除する動きが急速に進んでいます。アメリカ疾病対策センター(CDC)は25日、地域ごとに感染状況を「低」「中」「高」の3段階に分け、マスク着用が必要かどうかを示す新たな指標を発表しました。

新たな指標では、グリーンの感染状況が最も低い地域とイエローの中程度のレベルに落ち着いている地域では原則としてマスク着用は不要としており、オレンジの感染レベルが高い地域を除いて、屋内でもマスクを着用しなくてもよいとしています。学校でのマスクも感染リスクが高い地域のみ推奨されており、これによって全米のおよそ7割の地域でマスクなしの生活に戻ることが可能となりました。

CDCは地域ごとに3段階でマスク着用の必要性を示す新たな指針を発表。オレンジ以外の地域ではマスク着用は不要に(CDCのホームページより)
CDCは地域ごとに3段階でマスク着用の必要性を示す新たな指針を発表。オレンジ以外の地域ではマスク着用は不要に(CDCのホームページより)

感染状況に応じてマスク着用が義務化されたり、解除されたりを繰り返してきたここカリフォルニア州は、依然としてロサンゼルス(LA)を含む多くの地域で感染が最も高いレベルであるものの、16日にワクチン接種完了者を対象に義務を解除しています。一方で、独自に屋内でのマスク着用義務を継続すると発表していたLA郡も、ついに25日からワクチン接種済みの人を対象にマスクのルールを緩和しています。

政府がドラッグストアなどで無料配布した高機能マスク
政府がドラッグストアなどで無料配布した高機能マスク

変異種オミクロン株がピークアウトして新規感染者数は激減し、入院患者数や死者数も改善していることから、ワクチン接種証明書を提示することを条件に屋内でマスクを外すことが可能になりました。未接種者は引き続きマスク着用が求められていますが、接種証明書の提示が義務化されている飲食店や映画館など、娯楽施設では接種完了者はマスクをしなくてもよくなりました。しかし、スーパーマーケットなど接種証明書の提示が求められない場所では、引き続きマスク着用が必要となっています。

マスク着用義務が緩和されたあとも、地域差はあるものの街中では引き続きマスクを着用している人も多く見かけます。話を聞いてみると、「まだ不安」「不特定多数の人が集う屋内はハイリスクだと思う」といった意見の他、ワクチンを打てない小さな子供がいるからと話す人もいます。筆者自身も、まだ映画館でマスクを外す勇気はなく、しばらくはマスク着用を続けるつもりです。

市内のスーパーマーケットやドラッグストアでは、現在も入り口にワクチン接種の有無に関わらずマスク着用を求める看板が設置されており、入り口で手にもっていたマスクを手慣れた様子でつけて中に入るといったこれまで通りの光景が見られます。

LAのスーパーマーケットではワクチン接種に関わらず現在もマスク着用を求める看板が
LAのスーパーマーケットではワクチン接種に関わらず現在もマスク着用を求める看板が

大手企業でも従業員への義務を撤廃する動きが加速しています。サンフランシスコベイエリアに本社があるグーグルやアマゾンの物流倉庫では従業員への義務を解除しています。また、大手量販店でもウォルマートがワクチン接種済みの従業員を対象に義務を解除しているほか、ターゲットは州や郡のガイドラインに従って着用義務が解除された地域では、ワクチン接種の有無に関わらず従業員も客もマスクを着用する必要はないとのガイドラインを発表し、脱マスクを宣言しています。

カリフォルニアでは、感染が急増して医療のひっ迫がみられた昨年1月と、オミクロン株がまん延した今年の1月を比較すると、1日当たりの死者数は700人から半分以下の200人に減少。ワクチンによって重症化する人が減少していることもわかってきた今、コロナと共存しながらコロナ禍前の生活をいかに取り戻すかが課題になっています。

コロナ禍が始まって来月で3年目に突入しますが、パンデミックからエンデミックに移行することができるのか、コロナとの共存がノーマルライフになるのか今後の状況を注視していきたいと思います。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)