新型コロナウイルスの感染拡大が始まって3年が経過し、ようやくアメリカも感染拡大防止に伴う水際対策を5月11日をもって撤廃します。
これによって、これまで入国時に外国人に対して求められていたワクチン接種完了証明書の提示が不要となり、コロナ禍前と同じように規制なしでの入国が可能となります。東部時間5月12日0時01分以降にアメリカに到着する飛行機に搭乗する人からが対象で、空路の他、海路・陸路での入国も同様です。
アメリカはトランプ政権だった2020年3月13日に国家非常事態宣言を発令。その後、ここカリフォルニア州など各地で外出禁止令が発令され、渡航制限が出されるなど世界中がコロナウイルス感染による未曾有の危機に立たされたことは記憶に新しいところです。バイデン政権は当初、11日に国家非常事態宣言を解除する予定でしたが、連邦議会の上下両院から早期終了を求める決議案が提出されたことを受け、4月10日に宣言を解除。その際に、入国規制は5月11日まで継続することが発表されていました。
日本を含む外国人にとってはこれで渡米へのハードルが下がり、気軽に旅行に行けるようになりますが、メキシコと国境を接する南部の街では各国から移民が一気に押し寄せる事態が想定され、緊張が高まっています。
トランプ政権下で導入された「タイトル42」と呼ばれる移民制限措置法が11日で失効するためで、中南米を中心とした国々から大挙して押し寄せる可能性がある移民希望者による混乱に対処するため、バイデン政権はすでに国境地帯に州兵の派遣も行っています。
アメリカはコロナを理由に2020年3月から現在まで、300万人近い移民希望者を即時送還してきましたが、陸路での入国規制がなくなることを受けて「国境が開放される」と希望を持ち、入国を待ちわびる人たちが国境付近に続々と集まっていることが伝えられています。
ニューヨーク・ポスト紙によると、カリフォルニア州との国境を接するメキシコ・ティファナで1万6000人、テキサス州エルパソと国境を接するシウダッドファレスに3万5000人ほどが待機中だといい、国境付近ではすでに不法入国を試みようとして逮捕される人も続出しています。
メキシコだけでなく、グアテマラからも8万人が国境に向かっていると言われ、国境が無秩序化する危機も取りざたされており、移民に寛容な姿勢のバイデン政権への批判が高まることが予想されています。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)




