ロサンゼルス(LA)で20日、ハリケーン「ヒラリー」が猛威を振るう中、同時刻にマグニチュード5.1の地震も起こる異常事態が発生し、住民を震撼させました。

20日に携帯電話に届いたアラート 上が緊急地震速報で、下が洪水警報を知らせる速報(真ん中はスペイン語での地震速報)
20日に携帯電話に届いたアラート 上が緊急地震速報で、下が洪水警報を知らせる速報(真ん中はスペイン語での地震速報)

カテゴリー4まで強まったヒラリーは、メキシコ沖の太平洋を北上して午後に南カリフォルニアに上陸する前には熱帯低気圧に弱まったものの、8月としては記録的な大雨をもたらしていた最中、突如の揺れが襲ってきました。震源はLAの中心部から北西に約130キロの癒しの街として知られるオーハイ。車で1時間半ほどの距離にある筆者の自宅でも大きな揺れを感じました。地元メディアによると、震源地近くのスーパーや酒店などで棚から商品が落ちて散乱する被害が報告されたものの、けが人や建物への被害はなかったようです。

ハリケーンと地震が同時発生したことを伝えるニュースサイトTMZの記事
ハリケーンと地震が同時発生したことを伝えるニュースサイトTMZの記事

1994年1月に起きたノースリッジ地震を経験している身としては、一瞬、「ハリケーンではなく、地震で避難?」と少し身構えてしまいましたが、空と陸から同時に災害が襲ってきたことに「なんてこと」「とんだ1日」とハリケーンを中継していたテレビ局も大混乱の1日でした。

熱帯低気圧がカリフォルニアを通過するのは1939年以来84年ぶりのことで、史上初めて熱帯低気圧警報がLAを含む南カリフォルニアに発令されました。ヒラリーは当初の予想よりも東の山側に進路をとったためLAは直撃を免れたものの、中心部では39ミリの雨量を記録。

水没被害の可能性が取り沙汰されたドジャースタジアムは、浸水していないことを伝えるLAタイムズ紙の記事
水没被害の可能性が取り沙汰されたドジャースタジアムは、浸水していないことを伝えるLAタイムズ紙の記事

ハリウッドにほど近いショップや飲食店が並ぶメルローズでは、多くの店で浸水の被害が出たことも伝えられています。また、一部の道路で冠水が起き、車が立ち往生したり、スリップ事故なども多発。この時期ほとんど雨が降らないLAだけに、干上がった川に濁流が押し寄せ、倒木なども相次ぎました。

ヒラリーの被害を伝えるLAタイムズ紙の記事
ヒラリーの被害を伝えるLAタイムズ紙の記事
LA西部の湿地帯では大雨で沼地に水たまりが復活
LA西部の湿地帯では大雨で沼地に水たまりが復活

一方、進路となったLA東部の砂漠の街パームスプリングスでは、24時間で年間の総雨量に相当する109ミリの雨が観測され、鉄砲水や幹線道路の水没、土砂崩れなども発生。LAとパームスプリングスをつなぐ高速道路も水や泥に覆われたことで封鎖され、強風でなぎ倒された木が車や建物を直撃するなど局地的に甚大な被害も出ています。

まさかハリケーンと地震を同時に経験するとは思いもしませんでしたが、LAでは人的な被害は確認されておらず、今回の大雨が乾燥によって秋以降に発生する可能性が高まる山火事を防いでくれることを住民たちは祈っています。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」)