現地時間4月8日に、アメリカの広い地域とカナダ東部で皆既日食が見られるため、お祭り騒ぎとなっています。筆者の周囲でも、観測しやすいテキサス州に向かった人が複数いますが、大勢が皆既日食を楽しもうとこの週末に大移動するといわれています。

4月8日の皆既日食の観測マップ
4月8日の皆既日食の観測マップ

月が太陽を完全に覆い隠す皆既日食がアメリカで見られるのは、2017年8月21日以来およそ7年ぶり。本土での観測は38年ぶりとなったこの年は、アメリカの西端から東端まで広く横断しましたが、今回は南太平洋上空からはじまり、メキシコを斜めに横断してアメリカ中部のテキサス州に入り、その後はアーカンソー州、インディアナ州、オハイオ州、ニューヨーク州などを通って北東に向かい、メイン州からカナダに抜けます。13州で観測ができ、推定3100万人がこの道上に住んでいると伝えられています。

前回は主に都市部よりも人口密度の少ない地域や何もない砂漠地帯が皆既帯でしたが、今回は多くの大都市でも観測できるとあり、前回以上の盛り上がりとなっています。

完全に太陽が隠れる皆既日食は限られた範囲のみのため、残念ながらここカリフォルニア州では太陽がすっぽりと月の背後に隠れることはありませんが、ロサンゼルスでは部分日食が午前11時12分に見られます。ちなみに、大谷翔平投手と山本由伸投手が所属するロサンゼルス・ドジャースの試合が行われるミネソタでは、75%の部分日食が見られるそうです。

皆既日食が見られる主な都市と時間
皆既日食が見られる主な都市と時間

一番人気の観測都市になっているのが、テキサス州ダラス。現地時間午後0時23分に部分日食が始まり、1時40分に完全に太陽が隠れる皆既日食が観測できます。同州ではほかにも、サンアントニオとオースティンでも見ることができます。ほかにはオハイオ州クリーブランドで午後3時過ぎ、ニューヨーク州バッファロー市でも同様に午後3時半前に皆既日食が見られます。これらの都市ではホテルが満室になっているようですが、バファローにはナイアガラの滝があり、滝から皆既日食を楽しむ人たちで大混雑することなども予想されています。

気になるお天気ですが、テキサス州では曇り空で雨の予報も出ています。一方、東海岸では晴れ予報になっているので、観測のチャンスがありそうです。安全に観測するために必要な日食メガネも飛ぶように売れており、製造会社も8日の当日に向けて大忙しのようです。

次にアメリカで見られるのは20年後の2044年なので、この一大イベント当日にアメリカにいらっしゃる方は、天体ショーを楽しんでみてはいかがでしょう。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」)