「デスバレー(死の谷)」の名にふさわしく地球上でもっとも暑く、乾燥した米カリフォルニア州にある砂漠の国立公園に、一面黄色やピンクの色とりどりの美しい野花で覆われるスーパーブルーム現象が起こり、珍しい光景を一目見ようと多くの観光客が訪れています。

美しい花が咲き乱れるデスバレー(写真はデスバレーの公式サイトから)
美しい花が咲き乱れるデスバレー(写真はデスバレーの公式サイトから)

ロサンゼルスから北東に車でおよそ4時間のカリフォルニア州とネバダ州との州境に広がるデスバレーは、1913年に最高気温56.7度を記録するなど灼熱(しゃくねつ)の砂漠地帯として知られています。昨夏も最高気温54度を記録するなど近年は温暖化の影響で最高気温更新に期待がかかり、焼けつくような暑さが世界中の観光客を魅了しています。

そんな本来は不毛の荒野であるデスバレーで今年、昨年8月と今年2月に記録した大雨の影響で野草がいっせいに開花する「スーパーブルーム」が発生。最近では2016年に10年ぶりとなる開花を経験していますが、パークレンジャーによると今年はそれをはるかに上回る規模の大開花だといいます。

前年に大雨の降った翌年春にしか起こらないスーパーブルームは、大規模なエルニーニョ現象や最適な風と気温など完璧な条件がそろった時にのみ起きる非常にまれな現象です。たとえ開花しても暴風雨が発生するとすぐに枯れてしまう年もあり、黄金色の砂漠と黄色やピンクのお花畑の絶景が見られるのはとても貴重。特に今年のように見事なお花畑が長期間楽しめるのはとても珍しいそうです。

スーパーブルームを伝えるABCニュースの記事
スーパーブルームを伝えるABCニュースの記事

公園の公式サイトによると、お花見を楽しみたいなら、東側の入り口付近のダンテスビュー・ロードと公園の西側のパナミント・バレーがおすすめとのこと。デスバレーの絶景を一望できるダンテスビューポイントからなら、眼下に広がるお花畑が見られるかもしれません。

例年なら5月上旬頃まで見られるようですが、最近は日中の最高気温が37度を超える日もあるため、もうすぐ見ごろも終わってしまうかもしれません。

真夏は暑さがとても厳しいので、デスバレーを訪れるならこの季節がベストシーズン。今なら砂漠に咲く花を楽しめるラストチャンスです。

(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」)