1月も今日で終わりますが、アメリカではこの1カ月間アルコールを飲まずに過ごすチャレンジ「ドライ・ジャニュアリー(断酒の1月)」に挑戦した人がたくさんいました。日本ではまだ聞きなれない言葉かもしれませんが、1年が始まる最初の月にアルコールを抜いて心身ともに健康になろうという2013年に始まったイギリス発のキャンペーンで、2024年には世界中でおよそ21万5000人が参加したと言われています。

ドライ・ジャニュアリーについて報じるニューヨーク・タイムズ紙の電子版
ドライ・ジャニュアリーについて報じるニューヨーク・タイムズ紙の電子版

アメリカではハロウィーンから年越しまでのホリデーシーズンは飲酒する機会が増えるため、およそ半数がホリデーを楽しむために過度の飲酒をしていることを自覚しているとのデータもあるそうです。そんな飲み過ぎた数カ月をリセットし、新年をすっきりとした気分で迎えたいという人が年々増えているようで、断酒の1月は今年もネットやメディアで大きな話題となりました。

アメリカではここ数年、お酒は飲めるがあえてアルコールを摂取しないライフスタイル「ソバーキュリアス」を好む人が増えています。ソバーキュリアスとは、「しらふ」を意味する「Sober(ソバー)」と「Curious(好奇心が強い)」を組み合わせた造語で、しらふをポジティブに楽しむ選択や考え方を示すものです。特にZ世代を中心により健康的なライフスタイルを好む傾向が強く、バーや社交の場でも炭酸水やモクテル(ノンアルコールカクテル)などノンアルコールを選択する人が増えています。

スーパーマーケットにも、ノンアルコールのコーナーが増えています
スーパーマーケットにも、ノンアルコールのコーナーが増えています

そのため、アメリカでは昨今ノンアルコール飲料の需要が増しており、ノンアルコールビールやワイン、見た目も味もアルコールに近い缶入りモクテルなどが多く販売されており、こうしたノンアルコール飲料はドライ・ジャニュアリーの手助けになっています。ネットでは、「誘惑を避ける秘訣」としてアルコールを家に置かない、ホームパーティーに招待されたらノンアルコール飲料を持参する、友人や家族に断酒を宣言する、一緒にチャレンジする仲間を募るなどの成功させる秘訣も紹介されています。

アルコールを断つことによるメリットとして、睡眠の質の向上、運動量とエネルギーの増加、食事の改善、減量などがあげられています。ただ、普段からお酒を飲む頻度や飲酒量の多い人は逆に禁断症状が出る可能性があるため、専門家からのアドバイスを仰ぐことが必要不可欠とされています。

挑戦者からは二日酔いによる不快感がなく、頭がクリアで仕事や家事がはかどるとの声や健康面だけでなくメンタル面でも意欲的になったなどの報告もある他、節約につながったと話す人も少なくないようです。

今月初めには、米国の公衆衛生政策を統括する保健福祉省のビベック・マーシー医務総監がビールやワインなどのアルコール飲料に発がんリスクについて明記するよう勧告したことが話題になったこともあり、1カ月断酒した後もそのまま継続する人が増えるかもしれません。若者のアルコール離れが叫ばれて久しいですが、アルコール業界にとっては厳しい時代になりそうです。

(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」)