今年1月7日にロサンゼルス(LA)を襲った大規模な山火事から1カ月が経過しましたが、前回レポートした西部の高級住宅地パシフィックパリセーズと共に甚大な被害が出た北東部アルタデナの被災地を訪れてみました。
ダウンタウンの北東約22キロに位置するアルタデナは、毎年元旦に行われるカレッジフットボールゲーム「ローズボウル」の会場となるローズボウル競技場などがあるパサデナに隣接する閑静な住宅地です。アルタデナには主だった観光名所はなく、大型ショッピングモールなどもないため観光客が訪れることはほとんどありませんが、LAの人たちにとっては街路樹を彩る美しいクリスマスのイルミネーション「クリスマスツリー・レーン」が有名で、毎年大勢の見物客が訪れることで知られています。また、近郊にはハイキングコースも多く、山火事の名前にもなっている「イートン・キャニオン」には滝が見られる人気のトレイルがあります。
そんなサン・ガブリエル山脈の麓にあるアルタデナでは、8600棟以上の建物が焼失したと伝えられています。中心部から山に向かって車を走らせていると、半壊したガソリンスタンドや燃えた飲食店の看板が両側に点在していることに気づきます。そして住宅地に足を踏み入れると、「戦地」という言葉以外に表現方法が見つからないほど、辺り一面が焼け野原となっていました。
周辺すべての建物が焼け落ちた区画もあり、原形をとどめていない家、焼け焦げた車、焼け残った門や扉、暖炉や浴槽などの残骸の一部が次々と目に飛び込んできます。言葉では言い表せないほど変わり果てた被災地を歩いていると、のどに違和感を覚えるほど今も鼻をつく焦げた臭いを感じます。人々の生活が一瞬で奪われてしまったことに心が痛まずにはいられませんが、復興に向けての歩みも一歩一歩進んでいるようで、現地では防護服に身を包んだ作業員がいたるところで作業をする姿がありました。
電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)、携帯電話や家庭用蓄電池など有害物質を含む残骸が復興の足かせになっているとの報道もありましたが、焼け焦げた車には「NOT EV」の文字が書かれています。一台一台調査し、EV車でないことを示しているもので、調査済みの建物の前には「危険物除去済み」と書かれた看板も設置されています。こうした地道な作業を行った後、ようやく解体作業や瓦礫の撤去が行えるようになるため、住民が再び元の場所で暮らせるようになるには数年単位の年月が必要になると言われています。
今回の山火事では主だった観光地への被害はなく、LA観光局のアダム・バーク局長は観光でLAを訪れることで復興支援に協力して欲しいと呼びかけています。来月には大リーグも開幕しますが、今年も多くの観光客が日本からLAを訪れることを願っています。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)












