「青春18きっぷ」。鉄道に詳しくない方も、名前は耳にしたことがあるのでは? JR全線の普通列車に乗り放題という大変便利な切符。学生さんの春休み、夏休み、冬休みの時期に合わせて発売され、「青春」と題していますが、年齢制限はありません。おじさんももちろん大歓迎。ということで今回は「青春18きつぷ初心者の方へのアドバイス for おじさん」。初心者の方であれば、年齢制限なくお読みください。


青春18きっぷ。購入から10日以上経過しても、まだ使い道がほとんど決まっていませんが、いつものことです
青春18きっぷ。購入から10日以上経過しても、まだ使い道がほとんど決まっていませんが、いつものことです

〈1〉青春18きっぷとは?

子細に書くと膨大な量になるので、基本のみを記します。細かい規定はJR各社などのホームページでご確認ください。値段は1万1850円で5日分もしくは5回分のセット。行程も改札の出入りも自由ですが、優等列車(特急、急行)は利用できません。5回分と記したのはグループ旅に対応しているから。18きっぷ最大の特徴で、1日かけての5人旅もできるし、2人旅を2回行い、残りは1人旅というのも可能です。

〈2〉自動改札は不可

都会の方が最初に戸惑うのはこれ。新宿のような巨大駅でも駅員さんのいる改札を通らなければなりません。その日最初の有人駅もしくは車内の検札時に印をもらえば使用開始の合図。ただ有人改札というのが“難敵”で、巨大駅であるほど乗客数に対する有人改札の数は少なく、観光シーズンの今、かなりの確率で駅員さんと乗客がムニャムニャしています。時間がかかることもあるため、考慮して予定を決めてください。

〈3〉グループ旅は同一行動

2人旅で1人が新宿から山手線に乗り、渋谷でもう1人が合流というのは不可。どちらかの駅で同時スタートがしてください。旅の終わりも同じ駅で終了しなければなりません。切符を所持している方が「私と彼」と提示して改札を抜けます。旅の途中、1人が改札内のお手洗いに行く場合など「先に出ます」もダメ。とにかく同一行動です。

〈4〉乗れる列車は結構ある。夜行列車も

JRにおいて優等列車以外というのは、快速や新快速には乗れるということ。時刻表をよく見てください。夏休みならではの臨時快速が日本中を走っています。中には特別な車両を使用した観光列車も。今から指定席確保は厳しいかもしれませんが、チャレンジする価値はあります。最も有名なのは、この時期に運行される東京~大垣間の夜行列車「ムーンライトながら」です。

〈5〉道程には余裕を。「ダッシュ」要注意

「for おじさん」の肝です。準備万端、時刻チェックも完璧、あとは旅立つだけ…しかし、ちょっと待ってください。座席には横向きに座るロングシートと縦向きに座るクロスシートがあります。代表例を挙げると山手線はロングシート、特急列車はクロスシート。長時間乗車に適しているのは当然クロスシートです。個人差もあるでしょうが、私の場合、ロングシートに続けて乗れるのは2時間。普通列車ですから、どちらも走っています。乗るのはどちらでしょう? 

また乗り継ぐ際、18きっぷの季節には「ダッシュ」が必要な駅があります。私の経験では「相生ダッシュ」がすごい。大阪から姫路~岡山~高松というのは、新快速や快速が頻発していて、18きっぷ初心者にもオススメですが、兵庫と岡山の県境越えは要注意。下手をすると姫路、相生と二段階の乗り継ぎがあり、特に相生からは車両編成も本数もガクンと減るのでメチャクチャ混む。その際の座席争奪戦をダッシュと呼ぶのですが、私は少々時間がかかっても、のんびりと赤穂線で行くようにしています。またムーンライトながらからの大垣ダッシュもなかなかのものです。

〈6〉ちょっとした小技

大人気のムーンライトながら。チケット確保が大変ですが、こまめにチェックすれば、かなりの確率で空席が出ます。ぜひ試してください。また全部で5回も乗れない、1、2回でいいや、という方もいらっしゃると思います。大声では言えませんが、金券ショップで残り○回の18きっぷも流通します。こちらもこまめに足を運んでください。【高木茂久】