アートの町・宇野にある廃材を利用して作った「宇野のチヌ」。チヌとはクロダイのこと
アートの町・宇野にある廃材を利用して作った「宇野のチヌ」。チヌとはクロダイのこと

 「瀬戸内への旅」って、どんなイメージですか?

まぁ、岡山、広島、香川など…、それぞれの県によっても違うけど、今なら「瀬戸内はアートの旅!」 そんな気分もしませんか?

 直島や犬島、春風に背中を押してもらって、自転車でアートの島々を巡る。とまではいかなかったのですが、アートを感じながら岡山、倉敷、宇野と回ってきました。

      ◇      ◇

<観光列車も走り出した>

 先月9日よりJR岡山駅と宇野駅を走り出した観光列車「ラ・マル・ド・ボア」に岡山駅から乗り込みます。

岡山から宇野まで走り出した「ラ・マル・ド・ボア」
岡山から宇野まで走り出した「ラ・マル・ド・ボア」

 車名はフランス語で「木製の鞄」という意味。名前もオシャレなら車体もオシャレ。外装は白と黒できれいにペイントされ、車内は木製基調。広々とした窓からは燦々と春の陽光がさし込みます。

 うれしいのは専用の自転車の設置コーナーがあり、折り畳まなくてもマイ・バイクをそのまま持ち込んで、乗り降りできること!

車内に自転車もそのまま持ち込めるのが特徴
車内に自転車もそのまま持ち込めるのが特徴
大きな車窓から景色を楽しんでリラックス
大きな車窓から景色を楽しんでリラックス

 まぁ台数に限りはあるものの、これは断然便利。

<駅もアート。ところでアートって?>

 宇野駅につくと、もう駅そのものがポップに色塗りされていてアートです。

 そして、ここで、レンタサイクルを借りれば、またこれがアートバイクも。そして街のあちあらこちらにはオブジェが。その代表が「宇野のチヌ」。チヌとは黒ダイのことだが、漂流物(例えばタイヤやペットボトル)などをベタベタを貼りわせて巨大な魚のオブジェを作りあげた。

 宇野港に寄港していたフランス国籍の豪華客船「ルソレアル」の白と灰色の巨大な船。これも格好がよくて見事にアートしてる? 

 こうして見ていると、アートって何? アートとはなんじゃいな? という疑問に自分でブチ当たる。

宇野駅そのものもアート
宇野駅そのものもアート

 それは単に言葉としての意味でなく、生き方として、あるいは生活の中で何がアートで、逆に何がアートでないの?

 もう少し、ちゃんと考えたくなります。

 ついでながらいえば、この地で世界的な芸術祭、「瀬戸内海国際芸術祭2016」の夏バージョンが7月18日~9月4日、秋は10月8日~11月6日に開催される。

 3年に一度の現代アートの祭典。直島、豊島など、この宇野から船で簡単につながっている。

 島、港、すべてが美術館として繋がっているとしたら、どうです訪ねてみたくなりませんか? そしてもう一度、アートって何? 生活の中でアートって何?って考えてみるいい機会にもなりそうです。

      ◇      ◇

<倉敷・大原美術館はテープでアート>

 さて、アートつながりで倉敷市の「大原美術館」へ旅は続きます。

 中国地方最大級の美術館。1930年(昭5)に出来た日本初の西洋近代美術館としても有名でエルグレゴ「受胎告知」、モネの「睡蓮」など世界的名画や岸田劉生、安井曽太郎の国内の代表絵画も含め約3000点を収蔵する。

 そしてなによりこの美術館の周辺は「倉敷美観地区」として特別美しい。

 倉敷川の周囲にはヤナギの緑が、今はまぶしく、白壁の蔵や屋敷が保存地区として昔のままの姿を残っている。絶好のビューポイント。

 と、ここまでは今までの倉敷の説明となんら変わりがない! ところが今回はチッと違った!!

 ビックリ!

 美術館も人力車もなんとテープでラッピングされているのです。

大原美術館も「マスキングテープ」でお化粧されていた
大原美術館も「マスキングテープ」でお化粧されていた
観光客用の人力車にもテープの飾り…
観光客用の人力車にもテープの飾り…

 「mt(エムティー)」ってテープご存じですか? マスキングテープのブランド名。倉敷市に、このテープの本社「カモ井加工紙」があり、そこで作られて「おしゃれ」「かわいい」と世界的に大人気になっているとか。

 これで、大原美術館の入り口の一部も、人力車や自転車も。さらに電車の車両の一部までデコレーションされているのです。

 大原美術館の館内では小さな箱に自分でラッピングできるコーナーやオリジナルテープの販売まで。

 観光に来ている人の声を拾うと

 「孫がもう夢中で。テープをやりだしたら、ここを離れなくて、いいんじゃないの」「イメージが悪い。やり過ぎでしょ」など賛否はすぐに割れて聞こえてきました。

 どう思われます?

<工場夜景に夜景女子がしびれる>

 「写真水島の工場夜景」

最近の夜景女子にも工場夜景は特別人気? 
最近の夜景女子にも工場夜景は特別人気? 

 最後に今どきのアートスポットをもうひとつ。

 夜景女子に最近とくに人気の「工場夜景」。岡山にも絶大な人気を誇るスポットが。それは「水島コンビナート」夜景。

 約250の事業所の工場夜景が、瀬戸内海をバックに光りの幾何学アートを創造する。

 瀬戸自動車道水島ICから車で約15分。水島展望台。

夜景女子でなくても驚きのキラキラである!

 ◆問い合わせ先・電話

◇倉敷市観光課・086・426・3411 。 .

 ◇大原美術館・086・422・0005。

 ◇瀬戸内国際芸術祭実行委員会事務局087・813・0853。