相模湾・小田原「弘美丸」(湯川幸次船長)と東京湾・八景「太田屋」(太田一也船長)で、マダイ教室が実施された。悲喜こもごも-釣れた人も、釣れなかった人も、釣るための入り口に立てたようだ。その模様をリポートする。そして、今、東京湾ではアジが大チャンスなんですよ!

17日日曜日の弘美丸のマダイ釣り教室。海はベタナギ。ポカポカして暖かい1日となった。生徒は4人。

1人目は中島和彦さん(38=秦野市)。今夏、キハダマグロに初挑戦ながら63キロを釣り上げ、帰り際には20キロ台もキャッチした。相模湾はマグロ釣りのメッカだが、通い続けて5年目で初めて釣果にありつけた人もいる。マダイは昨年に続いて2度目。さて、マグロの運が残っているのか?

2人目は鈴木務さん(46=小田原市)。弘美丸ではマグロの常連で、今年からマダイデビュー。弘美丸では最近、マグロ→コマセマダイという流れがあり、鈴木さんも“乗っかった”。3度目のマダイトライアル、楽しみだ。

3人目は昨年からマダイを始めた河本登さん(55=座間市)で、過去最大は2・5キロ。「目標は3キロ超。気合を入れていきます」。

4人目は水野仁司さん(53=小田原市)。マダイ釣りに手を染めて3年。毎週のように乗船しているが、イマイチ「誘い」のやり方が分からない。

それぞれのテーマを胸に、空が白んできたころに弘美丸は港を出た。

湯川船長 ウチは隠し立てがない。常連さんが不慣れな人を指導してくれる。常連のうまい人がお手本になる。素人さんは、それを見て覚える。いい循環ができていますね。

最初のポイントは港前水深40~50メートル。鈴木さんの横はマダイ釣り20年以上の奥津隆宏さん(45=小田原市)。鈴木さんは、タナ(魚の泳層)を決めてから何度かサオ先を上下動させた。奥津さんは微動だにせず、ロッドキーパーにセットしてから何もいじらない。

奥津さん ナギで浅場。動かしすぎるとマダイが警戒する。船の揺れぐらいの誘いがいい。ほら、きた。

奥津さん1キロ前後。じっと見ていた鈴木さんも800グラム前後を釣り上げた。

鈴木さん 状況によっては誘わない釣りも正解なんですね。面白い。

鈴木さんの横の水野さんが頭を抱えた。

水野さん 誘わない釣りは衝撃だ。落とし込みがもっとも有効だと思っていたのに。マダイ釣り奥深い。

船は状況が変わり水深100メートル前後の瀬ノ海へ。水野さんは置きザオもしたが、ロッドキーパーからサオを外して手持ちにした。軽く上下動させて落とし込んでキュン。1キロ前後のマダイだ。

水野さん 深さによって攻め手も違う。

河本さんは当たってあと数メートルというところでバラしてしまったが、その直後にギュン。今度は集中して油断を見せずに取り込めた。

河本さん マダイが釣れて良かった。今度こそ、次回は3キロ超ですね。

真打ちはやはり中島さん。1キロ前後を2匹釣った。ただし、慌てすぎてリールのドラグをがっちり締め込んでバレた。サオ先のアタリに力が入って、思わず「鬼アワセ」でプチーンと切られた。

そして納竿間際に中島さんのサオが満月のようにまん丸になった。ドラグは緩め。サオ先のアタリにも小さく合わせた。赤い魚体がプカリと浮かんだ。デカイ! 重量は4・3キロ。

中島さん 船長と周囲のベテランさんのアドバイスで釣れた。コマセマダイ、楽しいスわ。

湯川船長は「これぐらいは普通。教室以外でも丁寧に教えるから、マダイギビナーでも安心してください」と話した。マダイを釣りたいお父さん、小田原に来てください。【寺沢卓】

▼船 小田原「弘美丸」【電話】090・8682・8573。マダイ船は午前5時集合、コマセ&氷付きで1万1000円。湯川船長「初心者大歓迎。詳しくはお電話ください」