東京湾に「ぶっといサーベル」発生注意報だ。3日、久里浜「大正丸」(鈴木喜忠船長)からタチウオ乗合船で走水沖に繰り出した。スゴかった。体高で指4本から上しかヒットしない。水深65~70メートルの浮いた層なのに根掛かりしたような強烈な引きを体験できる。どうやら“冬タチ”にスイッチが入ったようだ。

出船前日の1月2日、久里浜「大正丸」の「よしくん」こと鈴木船長と電話で話した。東京湾でもタチウオの“巣”を見つけ出して、お客に数釣りをさせることが得意な船長だ。

よしくん もうね、今日(2日)はダメダメ。本牧沖で釣れなくて、走水沖で魚が動かなくて、水深170メートルの下浦沖もシブかった。でも、明日(3日)は走水沖で勝負したい。いけそうな気がする。

遊漁船の船長は、魚の気持ちを解析できるエスパーなのかもしれない。過去に何人もの船長の「いけそうな気がする」という言葉が、そのまま釣果として現実となっている。

夏のタチウオはどんどん浮いて宙層で釣れるが、冬場は深場勝負。底から10メートルでの誘いが分かれ目になる。ただし、魚群探知機にタチウオの魚影が出ていても、口を使ってくれるかどうかは分からない。夏季ほどの活性の高さは期待はできないが、釣れれば指4本以上の大型がヒットするのが魅力だ。

3日の走水沖は、よしくんの「船長の勘」が見事に当たった。

最初に入ったのは水深65メートル。結果的に午前7時30分から正午すぎまで、同じポイントから1度も動かなかった。スタートから3時間は投入して底から10メートルで当たった。小刻みでスローな誘いに食いついた。ハリスは8号、ハリは大型「3/0」の“ごっつい”仕掛けが有効だった。

この日が初めての船釣りで、都内からおじさんと祖父と訪れた優空(ゆうだい)くん(11)は「もう、スゴい。ゆっくりサオを上下に動かして、ちょっと止めたらゴツン、ガー、って。手に感触が残って」と興奮状態。10匹を釣って大満足だった。

昨年10、11月に続いてタチウオ3度目の戸澤洋平さん(38=埼玉・白岡市)は、先輩で大正丸常連の田中良男さん(50=白岡市)に連れられて乗船し「すげぇッス。こんな太いタチがいるんですね。クーラーボックスがすぐにうまってしまう。東京湾のタチ、厚みもある」とサオを握りしめた左手に力を込めた。

▼久里浜「大正丸」 【電話】046・835・0076。タチウオ乗合船は集合午前6時15分、出船同7時15分で、沖あがり午後2時。料金は、氷&エサ付き8900円。定休は第2、4、5金曜。予約や質問は、お気軽に電話を。