日刊銀鱗倶楽部、芥川漁業協同組合主催「2020 月桂冠杯 芥川新春ニジマス釣り大会」が3日、大阪・高槻の「芥川放流釣り場」で行われ、193人が参加し、ニジマスの1匹長寸を競った。早朝は冷え込んだが、晴天で徐々に気温、水温が上がり、マスの食いは上々。コロナ禍のうっぷんを吹き飛ばすようにあちらこちらで竿が曲がり、大物が釣り上げられるたびに歓声が上がった。ルアー・フライの部は61・5センチをキャッチした中野敏志さん(36=大阪市)が2度目の優勝。餌釣りの部は60・5センチを仕留めた小川諒君(9=茨木市)が制した。総重量を競った「月桂冠賞」はルアーで11・1キロを釣った野下和樹さん(36=八尾市)が獲得。餌釣りは中川靖夫さん(49=高槻市)が8・86キロで受賞した。【中村和嗣】

「久々にしびれました。スリル満点のファイトでした。ビッグトラウトでハッピーニューイヤーですわ」。中野さんが61・5センチのニジマスで2度目の優勝を果たし(17年に69・5センチで初優勝)興奮気味に喜びを口にした。中野さんは芥川に通い続けて8年目。釣り場を知り尽くした上流のルアー専用区で大物に挑んだ。

選んだルアーは数々の大型を釣り上げてきたというラメが入った朱色のスプーン(1・5グラム)。ストップ&ゴーやリフト&フォールでデカマスのリアクションバイトを誘い続け午前11時ごろ、デッドスローリトリーブで食いを引きだした。

やりとりはハラハラドキドキの連続だったそうで、リールのドラグ音が鳴りっぱなし。1・5ポンドの細糸をいたわりながら一進一退のやりとりを10分ほど続け、なんとかランディングに成功した。「無事にネットに収まった瞬間、足がガクガクになり震えていました」と振り返る。

審査の結果、優勝が決まると満面の笑み。「元旦に引いたおみくじが大吉。2日には、めったに手に入らないルアーをゲット。そして、初釣りで優勝できるなんてつきまくりですわ。今夜は釣ったマスを刺し身、唐揚げ、ムニエルにして副賞のお酒『純米大吟醸・鳳麟』を釣友とともに飲み明かします」とにっこり。

目標は、ずばり連覇。「早くコロナが収束することを祈ります。次はマスクなしで思いっきり楽しみたい。3勝目を狙います」ときっぱり。来年も、スーパーレインボーのスリリングなファイトに魅了されたルアーマンから目が離せない。