「アニキ」こと俳優哀川翔の「還暦」を祝って、千葉・金谷「光進丸」(岡澤裕治船長=43)でLT(ライトタックル)で狙う黄金アジに出船した。いつもの釣り仲間に加え、光進丸の常連さんも集まった。題して、「哀川翔と愉快な釣り仲間たち 祝!!還暦アジ釣りパーティー」。時には入れ食いになったり、時には30センチ超級の大アジが釣れたりと、みんなで楽しんだ。船上と帰港後にはサプライズのイベントも用意されていた。

金谷中のアジがアニキを祝福しているかのように、いきなり入れ食いとなった。ポイントに到着した直後の午前7時30分、「1投目から来たよ」。右舷ミヨシ(最前方2番目)アニキの声が響き渡る。3本針に2匹。ほかの人たちも次々とサオ先が絞り込まれる。開始早々からゴールデンタイムとなった。

今回の企画、アニキと釣り仲間4人に加え、裕治船長が常連さんや地元の仲間9人に声を掛けて実現した。「目指せ、年の数」と出船前にけしかけられた。「60匹も釣るのかよ。頑張らないとな」と闘志に火が付いた。

タナ(魚の遊泳層)さえ探り当てれば、入れ食いも夢ではないアジ釣り。「水深30メートル。26~28メートルで反応があります」などと指示ダナがアナウンスされる。水深まで落としたらコマセを振り出して1メートル道糸を巻き、さらに1メートル巻いてコマセを出して待つ。時には50センチ刻み、25センチ刻みに探って魚のアタリを待ち、針掛かりさせた。少しアタリが遠のくと釣れた人に「底から何メートルで食った?」と情報を収集する。こうして、数を伸ばした。

9時30分ごろ、この日一番のアタリが来た。ブルブルッと小刻みにサオ先を揺らすのではなく、海面にドーンと引き込まれるように突き刺さる。最初に重くなった後、巻き取る途中で食い上げしてフワッと軽くなり、海面で「等速円運動」を見せるサバの動きとは明らかに違う。「デカイぞ」。慎重なやりとりの末に上がったのは、40センチはありそうな大アジ。裕治船長によると、浜値で1キロ2000円はするというシロモノだ。

右ミヨシのエージさん、左ミヨシのノブさん、その後ろの鈴木浩二さん(56)と三森成将さん(50)、4人の仲間をはじめ、周りでも同じようなサイズが釣れ始めている。大アジを持ち寄った常連さんたちとツーショットに、アニキは気軽に応じた。

20~25センチの食べごろサイズを主体に、時折40センチ前後の大アジが交じる。10時30分ごろ、再度アニキのサオ先がドーンと引き込まれた。しっかり合わせたが、痛恨のハリス切れ。思わず天を仰ぐ。「しまった。1・5号のハリスでは細かった。2号にするんだった」と残念がる。結局、大アジは1匹だけだったが、計35匹。「年の数」はまたの機会にするとして、「これでおいしいアジが食べられる。アジ天そばがうまいよ」とご機嫌だった。【赤塚辰浩】

【裕治船長アドバイス】

◆タナ取り 指示された遊泳層へと正確に落とし込むためには、道糸の色で水深を把握する。水深計を頼ると、誤差が出る。

◆コマセ ビシカゴに七~八分詰める。イワシのミンチはビシの中で目詰まりすることがある。カゴを回収した時、中に残っているようなら、ビシを開けて海中で洗い、きれいにしてから詰め直す。

◆アタリが出たら 合わせは1回だけ。巻き取る最中に再度サオをアオったり、巻くペースを変えたりするのはバラシの原因になる。

◆取り込み ビシカゴが海面に見えた時点でサオを立てて回収したら、コマセの入った容器に入れる。次いで船べりに寄り掛かって体を海側にかがめる。利き腕を目いっぱい伸ばしてハリスをつかんだら、「テコ」の応用でヒジの関節を曲げてハリスを引き上げながら、体を横にひねって(右手でつかんだら左側へ)、船内にアジを入れる。ハリスを船べりで手繰ったり、ハリスをつかんで力任せに引き抜くのは、やはりバラシの原因に。

▼金谷「光進丸」【電話】0439・69・2697。LTアジ午前便は午前6時出船。コマセ・エサ(青イソメ)・氷付き9000円、午後便は、午後1時30分出船で同6500円。ウイリーアジは午前6時出船。コマセ・氷付きで9000円。