“大魔神”こと本紙野球評論の佐々木主浩氏(54)とフリーアナウンサー松本秀夫氏(60)の釣り対決第13弾が26日、千葉・富浦の日刊スポーツ共栄会「共栄丸」(笹子宏宣船長=50)でマダイをターゲットに行われた。同対決はサンケイスポーツとの共同企画で開催。大魔神の釣り友だちでもあるタレント野々村真(57)も参戦した。

これまでの対戦成績は7勝3敗2引き分けで大魔神の圧勝。だが前回のアカムツ対決で松本氏が勝利し、大魔神の連勝を「6」で止めた。マダイ対決は過去3回開催され、大魔神の2勝1敗となっている。

対決は波乱の幕開けとなった。右舷ミヨシから大魔神、野々村、松本アナと並んでの第1投目で、野々村のサオがしなった。だが、その正体は大アジ。勢いよく走り回った結果、大魔神と松本アナの仕掛けをあり得ないほど酷いオマツリ状態にした。大魔神は「1番端にいてもマツっているんだから、自分が真ん中だったらいくつ仕掛けがあっても足りないよ」と苦笑。「アカムツ対決を思い出す」と、全ての仕掛けを失い、船上で仕掛けを作ることとなった前回の苦い思いが脳裏をよぎった。

オマツリからの復帰に手間取る野々村&松本アナをよそに、大魔神は早々に見切りを付け、次の投入の準備にかかった。野々村は結局、PEを切る羽目となった。しかも、この大アジにはさらに苦しめられた。大アジを入れたいけす替わりのおけに仕掛けを置くと、なんとその仕掛けに大アジが2度ならず3度も食いついたのだ。「こんなことってある?」とただただ落胆した。

この日、いい反応はあるがマダイが口を使わない。「上潮は速いけど、底はそれほど動いていない。深いところにいるのは分かっているので、15メートルの仕掛けで途中にガン玉も打って、仕掛けが真っすぐになるようにして狙ってみます」と大魔神。この作戦が見事に当たり、1・5キロの本命をゲットした。

オマツリから復帰した松本アナはその後サバを釣り上げ、再び両隣とオマツリとなり仕掛けを失った。「実は、仕掛けを入れていたクーラーボックスを家に忘れてしまって…」と松本アナらしい愛すべきキャラクターぶりを発揮。見かねた笹子船長が、仕掛けを提供する事態となった。

結果的に、マダイを上げたのは大魔神のみ。必然的に大魔神の勝利で、通算成績を8勝3敗2分けとした。「松ちゃんが10敗したら罰ゲームね」と笑う大魔神に、「8敗して急にいうのはずるいよ!」と松本アナは抗議した。

一方、野々村は昨年7月、コロナに感染。同8月にはICUで治療を受けるほど重症化し、「もしかしたら死んじゃうのかなと思った」という。そのせいか「釣りができるだけで十分です」と感謝した。

笹子船長は「今日はいい反応が出ていたけど、これで釣果を出せなかったのは自分の責任。悔しい」とほぞをかんだ。その一方で「富浦沖にマダイも入ってきているし、ノッコミも始まっているので今後が楽しみです」と冷静に分析した。

この日の模様は、日刊スポーツ釣り面およびユーチューブ「ニッカン釣りちゃん」で後日公開予定。【川田和博】