春本番を迎えた渓流でアマゴ釣りを楽しもうと先日、和歌山・有田川の二川ダム上流にある支流・湯川川へ出掛けた。渇水で厳しい釣りを予想したが、前日に湯川川で確保した生きのいい川虫を餌に瀬落ちの白泡や瀬の石周り、淵を攻めると活発な餌追いがあり、正午前までに15・3~24センチのボテボテに肥えた良型を35匹キープ。新緑に癒やされながら、天然アマゴの心地よいアタリと元気な引きを満喫した。【日刊FPC・下田成人】

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午前6時半ごろ、上湯川地区の池田商店から約600メートル下流にある山道から入渓した。ここは、段々瀬や大石が点在する早瀬、淵など変化に富んだ好ポイントが続く。かなり減水しているので、魚の活性が低くないかと心配しながらG5のオモリを針上15センチに打った仕掛けをセット。餌は前日にたっぷり確保した川虫(ヒラタとオニチョロ)を使う。

まずは瀬が段々に落ちる淵からスタート。瀬落ちの白泡に餌を投入し、仕掛けが底流れをとらえると目印がゆっくり流れだし、泡の切れ目でフッと止まるアタリが出た。少しラインを送り、しっかり食わせてから合わせるとグンと竿に重みが乗る。魚体をくねらせる引きを楽しみ、頭上の木の枝をかわして取り込んだのは川虫をたっぷり捕食し、ボテボテに肥えた24センチ。いきなりの良型にテンションが上がる。続いて同じ筋を流すと今度は20センチ。渇水で食いが渋いかと心配したが、予想に反して活性が高い。

次は段々瀬を探っていく。小さなツボの白泡脇に餌を打ち込むと着水と同時にツツーン。竿に響くアタリで18センチのヒレピンがタモに飛び込んだ。石周りや流れがY字のように合流するポイントを探ると目印が止まる反応や、ヒュンと水中に引き込まれるアタリが出て、めっちゃ面白い。

景色も抜群。新芽の淡い緑がとてもきれいで心が洗われる。これも渓流釣りのだいご味だ。食い込みが悪いと、やわらかいヒラタを使い、反応がいいところでは足が動いてアピール度の高いオニチョロを餌にし、午前10時までに15・3~24センチを21匹。ビクが重くなったところで車に戻り、場所移動をすることにした。

次は少し下流にあるトンネルの上流から入渓した。谷間に日差しが差し込み、ポカポカ陽気で、とても気持ちがいい。ただ、竿影が水面に映ると、渓魚が警戒して隠れてしまうため、立ち位置を考えながらアプローチすることが大事になる。

瀬落ちの淵を狙い、流れ込みから仕掛けを流す。すると黒い影がスーッと餌を追ってきて、クルンと反転したあと、目印がクッと止まった。よっしゃ食った! すかさず合わせるとギラッと光って針掛かり。アマゴ釣りはこの瞬間がたまらない。警戒心が強く、人の気配を感じると石の中に隠れてしまうアマゴはスルーし、食い気のあるアマゴだけをテンポよく釣り歩き、正午前までにぽってりと肥えた16~23センチを14匹追加。大満足で渓をあとにした。

【今後の見通し】湯川川の中流の下湯川地区までアマゴが見えており、魚影は濃い。稚アユの放流も終わり、ルアーでの尺アマゴ狙いも面白くなってくる。有田川の漁期は6月30日まで。

【交通】阪和道の有田ICを有田、金屋方面へ出て、信号を左折。県道22号、国道424号、同480号を経由し、清水方面へ。三田トンネルを抜け、1分ほど走り、信号を右折。清水橋を渡り、県道19号で上湯川へ。

【問い合わせ】有田川漁協(日刊銀鱗倶楽部加盟店)【電話】0737・52・4863。森谷オトリ店(同)【電話】同・26・0005。入漁券は年券5500円、日券は3300円。