“大魔神”こと本紙野球評論家の佐々木主浩氏(54)とフリーアナウンサー松本秀夫氏(60)の釣り対決第13弾が、現在東京湾マダイダービー中の千葉・富浦の日刊スポーツ共栄会「共栄丸」(笹子宏宣船長=50)で、マダイをターゲットに行われた。同対決はサンケイスポーツとの共同企画で開催。チームニッカンには大魔神の釣り友だちでもあるタレント野々村真(57)も参戦したが、仕掛けも釣行もオマツリ騒ぎとなった。

今回、大魔神&野々村のチームニッカン、松本アナ&川目梢記者のチームサンスポがそれぞれ釣り上げた1匹の最大重量で争われた。自称“釣れない歴51年”の松本アナだが、この日もやらかした。サンスポ川目記者は港に到着するや否や、「仕掛けを入れたクーラーボックスをまるごと家に忘れているんですよ。信じられます?」とあきれ顔。幸いサオはクルマに積んであったが、仕掛けは大魔神から“タイ魔神”を借りてスタート。大魔神は「まあ、いつものことだから。敵に塩を送るってやつだね」と器の大きさを見せた。

対決は波乱の幕開けとなった。右舷ミヨシから大魔神、野々村、松本アナと並んでの第1投目で野々村のサオがしなった。だが、その正体は大アジ。勢いよく走り回った結果、右舷ほとんどの仕掛けをあり得ないほどのオマツリ状態にした。取材当日時点で東京湾マダイダービー暫定トップの富永起好さんも被害に遭っていた。「1番端にいてもマツっているんだから、自分が真ん中だったらいくつ仕掛けがあっても足りないよ。アカムツ対決を思い出す」。全ての仕掛けを失い、船上で仕掛けを作ることとなった前回の苦い思いが大魔神の脳裏をよぎった。

オマツリからの復帰に手間取る野々村&松本アナをよそに、大魔神は次の投入の準備にかかった。野々村は結局、道糸のPEラインを切る羽目となった。しかも、この大アジにはさらに苦しめられた。大アジを入れたいけす替わりのバケツに仕掛けを置くと、なんとその仕掛けに大アジが2度ならず3度も食いついたのだ。「こいつナニしてんだよ。いいかげんにしてくれよ~! こんなことってある?」と、ある意味奇跡を起こしていた。

この日、いい反応はあるがマダイが口を使わない。「上潮は速いけど、底はそれほど動いていない。深いところにいるのは分かっているので、15メートルの仕掛けに変えて、落とし込みで誘ってみます。ガン玉も打って、仕掛けが真っすぐになるようにしてみます」と大魔神。この作戦が見事に当たり、1・5キロの本命をゲットした。

オマツリから復帰した松本アナはその後サバを釣り上げ、再び両隣とオマツリとなり仕掛けを失った。見かねた笹子船長が仕掛けを提供する事態となった。

結果的に、両チームでマダイを上げたのは大魔神のみ。「マダイはじっとしていてはダメ。仕掛けの長さやハリスの太さ、針の大きさも変えたり、ガン玉を打ったり、いろいろやらないとダメ」。必然的に大魔神の勝利で、通算成績を8勝3敗2分けとした。「松ちゃんが10敗したら罰ゲームね」と笑う大魔神に、「8敗して急にいうのはずるいよ!」と松本アナは笑いながら抗議しつつも、「今日はノーヒットノーフィッシュでした」と完敗を認めた。

一方、野々村は昨年7月、コロナに感染。同8月にはICUで治療を受けるほど重症化し、「もしかしたら死んじゃうのかなと思った」という。それもあって「釣りができるだけで十分です」と感謝していた。

笹子船長は「今日はいい反応が出ていたけど、これで釣果を出せなかったのは自分の責任。悔しい」とほぞをかんだ。その一方で「富浦沖にマダイも入ってきているし、ノッコミも始まっているので今後が楽しみです」と冷静に分析した。

大ダイのチャンスはこれからだ!【川田和博】

▼富浦「共栄丸」【電話】090・7244・0460。午前便4時30分集合。コマセ&氷付き1万1000円。女性、子どもの割引あり。午後便もあり。※詳細は必ず船宿にご連絡ください。