演歌歌手前川清(75)の長男でシンガー・ソングライターの紘毅(38)が、神奈川・野島「村本海事」(関口真一船長=61)でアマダイ釣りに挑戦した。海釣りから湖川まで幅広くカバーする紘毅だが、中でも得意とするのがアマダイとカワハギだ。日刊スポーツ釣り特集面には初登場だが、果たしてその結果は?

アマダイ釣りに挑んだ紘毅だったが、この日はゲスト祭り。最後にはエイを釣り上げた
アマダイ釣りに挑んだ紘毅だったが、この日はゲスト祭り。最後にはエイを釣り上げた

「この時季はアマダイとカワハギ。アマダイは年間で3番目以内に入るくらい行っています」と目を輝かせる紘毅。目標を確認すると、「実は前回1匹で終わっているので、つ抜けと言いたいけど、今日大きいの、40センチアップを目指したい」と意気込んだ。

仕掛けは自作だ。一般的には2メートル2本針だが、1・5メートルと短め。「村越正海さんとご一緒させていただいたときに、もっと短いハリスでバンバン釣っていました。タナ取りが効率的だとは思うけど、自分では釣れていないので、信じ切れていないです。とりあえずこれで様子を見て、短ハリスも試してみます」と説明した。

開始から1時間ほどで潮止まりを迎えると、短ハリスに変更。テンビンからそれぞれ20&40センチだ。「底潮が実際にどう動いているのかが分からない。でもこれなら、確実にタナ取りができます」。だが、この日のファーストヒットはイトヨリだった。その約1時間後には1&1・2メートルに変更。これが悪夢の始まりとなった。釣っても釣ってもトラギスの連続。「落とした瞬間に食ってくる。タナが取れない」。トラギスのつ抜けはすぐさま達成した。

トラギスの猛攻に「またオマエかよ~」と顔をしかめる紘毅
トラギスの猛攻に「またオマエかよ~」と顔をしかめる紘毅

「次がラストになります」。関口船長のコールに「最後の1投まで諦めませんから」と奮い立つ紘毅だったが、反応なし。「最後のひと誘いで…」とオモリで底をたたくと、違和感を感じたのか即座にアワセた。サオ先がグンとしなる。「根掛かりですね」と1度は苦笑したが、すぐさま「違う、魚だ」。だが、「これはエイですね。実はアマダイで3回連続エイを釣っています」。実際、エイだった。

この日はイトヨリ、カナガシラ、カサゴ、オニカサゴ、レンコダイ、エイにトラギス多数のゲスト祭り。「アマダイでオデコは初めて」というホロ苦の紙面デビューとなったが、「それでも楽しかった」とほほ笑んだ。そして「18日から開始ですよね。どこかで乗っているかもしれません」とリベンジもほのめかした。【川田和博】


■釣りキャリア

紘毅の釣りデビューは小1。おじいさんに九州で連れて行ってもらった船釣りだが、「その後東京に戻って多摩川でバス釣りをしたら、大きなマゴイが釣れた。そのドキドキが忘れられなくて、ずっとバス釣りをやっていました」。やがてフィールドを問わないマルチアングラーへと成長するが、「エリアトラウトで、魚が目の前で群れを成しているのに全く釣れない。あれを経験したので、海釣りで釣れない時間も楽しくなりました」。


■紘毅のこだわり紹介

紘毅のアマダイ釣りは、師匠とあがめるプロ釣り師村越正海氏の影響が大きい。そんな紘毅のこだわりを紹介する。

▼リール 基本的に電動は使わない。理由は「電動よりも速く巻けるから」。また、ベイト&スピニングリールの二刀流。「浅場はベイトで、90メートルくらいはスピニングに変えます。その方が仕掛けも速く落ちるし、巻くのも速い」

ベイト&スピンニングの二刀流
ベイト&スピンニングの二刀流

▼テンビン&オモリ 村越氏特製テンビンを使用。「長ハリスでは直接スナップにオモリを付けるけど、短ハリスはスナップ付きスイベルをかませます。短ハリスで食うと魚がオモリに当たって、オモリが外れてしまうことがあるための補強」

村越氏特製のアマダイテンビン。短ハリスではスッナップ付きスイベルをかませる
村越氏特製のアマダイテンビン。短ハリスではスッナップ付きスイベルをかませる

▼短ハリスの利点 タナが取りやすいことに加え、圧倒的にアタリを取りやすい。

20&40センチの短ハリスを披露
20&40センチの短ハリスを披露
紘毅使用仕掛け
紘毅使用仕掛け

◆紘毅(ひろき)1985年(昭60)11月9日、東京生まれ。06年シンガー・ソングライターとしてデビュー。10年、映画「ラムネ」で俳優デビュー。22年8月、「いないんだって」をリリース。前川清公式「前川ちゃんねる」で釣行も公開。


■驚き47cmゲット記者釣行

今回はポイント確認を兼ねての釣行もあり、記者と関辰也タイラバ船船長(44)もサオを出した。金谷沖から開始し久里浜沖に移動すると、関船長が38センチの良型を上げた。「セオリー通りに4~5回オモリで底をたたき1メートル浮かせて待っていたらドンと来た」。

38センチを釣り上げた関タイラバ船船長
38センチを釣り上げた関タイラバ船船長

記者は同沖別ポイントで47センチデカアマダイをゲット。これもセオリー通りだが、1メートル巻き上げて止めたときに当たった。その瞬間サオを立てると手応えがあり、電動リールを巻き始めたが、上がった獲物の大きさに驚いた。仕掛けは2メートル2本針だった。「東京湾は、数はイマイチだけど型を見込める」。出船前、関口船長はそう言及したが、まさにその通りとなった。

記者は47センチのデカアマダイをゲット
記者は47センチのデカアマダイをゲット

■隔週で「はなれ」号

村本海事は野島堤防への渡船がメインだが、18日から隔週でBakuBaku「はなれ」号を出船する。同船はその時季に旬な魚をターゲットとして狙うが、2&3月はアマダイだ。当面は野島堤防への渡しも隔週の予定。関口船長は「トライアル&開拓的な釣りになりますが、ぜひご乗船ください」とアピールした。

▼野島「村本海事」【電話】045・781・8736。出船午前7時15分、氷付き9000円。※予約はHPからも可。

◆日刊スポーツ共栄会でアマダイを楽しめる船宿

▼小湊「鯛丸」【電話】04・7095・2705▼富浦「共栄丸」【電話】090・7244・0460