日刊スポーツ野球評論家で“大魔神”こと佐々木主浩氏(56)と元ニッポン放送松本秀夫アナウンサー(62)の釣り対決シーズン2第8戦は、大原「力漁丸」(中井聡船長=63)でヒラメを対象に行われた。これまでの対戦成績は、4勝2敗1分けで大魔神がリード。早々に3・3キロを釣り上げた松本アナだったが、ある一言が大魔神に火を付け逆転負け。その一言とは?

人生最大3・3キロを上げた松本アナ(右)だが、ある一言で奮起した大魔神が3・7キロで逆転勝ち
人生最大3・3キロを上げた松本アナ(右)だが、ある一言で奮起した大魔神が3・7キロで逆転勝ち

いつもは通称「松本サイズ」と呼ばれる小型ばかりの松本アナだが、今回、数では勝てないと踏んだのか、1匹の重量勝負を提案。フタを開けてみれば、ソゲ(小型のヒラメ)に悩まされたのは、逆に大魔神だった。序盤戦は「俺の知っているヒラメのアタリではない」と首をかしげ続けた。

ソゲに苦笑する大魔神
ソゲに苦笑する大魔神
大魔神が釣り上げたソゲたち
大魔神が釣り上げたソゲたち

大魔神が3匹目のソゲを上げたとき、松本アナの置きザオにアタリ。だが、「どうすればいい?」と釣り歴52年とは思えない、慌てぶり。中井船長の「サオを立てて」のアナウンスに、あろうことか、逆にサオ先を下げる始末。「それだとバレちゃう。もうフッキングして巻いて」で巻き始めた。海面に現れた魚影に、居合わせたスタッフから「デカい」の声。省吾若船長(23)のタモ入れで上がった3・3キロの大判に「やった~! 人生最大だよ」とガッツポーズも飛び出した。

大判を釣り上げガッツポーズの松本アナ
大判を釣り上げガッツポーズの松本アナ
3・3キロのヒラメにほほ笑む松本アナ
3・3キロのヒラメにほほ笑む松本アナ

その横で大魔神は「まずいな。今日は渋いからな…」とつぶやいた。そんな大魔神の闘志に火を付けたのは、松本アナの“数は釣るね”発言だった。松本アナのヒットから約2時間後。「やっとヒラメらしいアタリが来た」とほほ笑み、食い込みを待って合わせるとサオ先が弧を描いた。「魔神、でかそう?」と不安げに声をかける松本アナに、無言で笑みを返す。上がったのは3・7キロだった。「いろいろ試してやっと来たよ」と苦笑すると、改めて「まっちゃんの発言がだいぶ上からだったからね。ちょっと頭にきた」。これには「そういう意味で言ったつもりはないんだけど…」とうろたえる松本アナだった。

松本アナはその後2キロを追加。「盆と正月が一気に来たようだ」と喜んだが、結果は大魔神の逆転勝利。「今日は勝たせて欲しかった。自己最大でも勝てないって…」とうつむく松本アナに大魔神は「火を付けたのはまっちゃんだから」とピシャリ。「でも、今日は本当にまずいと思ったよ」と胸の内を吐露した。この日、大魔神は計6匹ゲットで、最大&サオ頭を獲得。格の違いを見せつけた。【川田和博】


■大魔神「ゼロテンション」成功

大魔神が3・7キロゲット時、記者の耳元でささやいたのは「ゼロテンション」だった。オモリを底に付け、ラインにほぼテンションがかからない状態にする釣り方だ。「ベタ底もやったし、1~3メートル、もっと上の宙も試したけどダメ。ソゲを交わすために捨て糸を少し長め(約50センチ)にして、ゼロテンにしたらやっと食った」。開始時に60号だったオモリも、ウネリや潮の流れから80号に変更。「ヒラメは捕食がヘタなので、オモリが上下してしまうと掛かりにくい」。ソゲが多いとみると捨て糸の長さも長めにし、針も大きめへと変えた。状況に合わせて正解に近づく引き出しの多さが、大魔神の釣り力だ。

大魔神使用仕掛け
大魔神使用仕掛け

■「腹掛けで必ず針先を頭方向に向ける」船長アドバイス

「ヒラメが親針で釣れるのは珍しい。8割は孫針の掛け方で決まる」と中井船長。推奨は「腹掛けで必ず針先をイワシの頭方向に向ける」だ。その理由は「獲物を見つけたヒラメは下から食って来る。また、合わせたときに針先が尻尾方向を向いているとフッキングできない」。針先の向きは「餌の状況確認で仕掛けを上げるときに、水の抵抗で向きが変わってしまうことが多い。針先の向きは必ず確認してください」。また、省吾若船長は「孫針をイワシの肛門に刺すと回転しやすいけど、尾の少し手前に刺せば回りません」と秘技を伝授してくれた。

尾の横に針をかけるのが省吾若船長流
尾の横に針をかけるのが省吾若船長流

■今期の展望、3~4キロ級期待

この時季、大原のヒラメは主にイワシの反応を狙うが、「ベイト反応は例年通りだけど、今年は大判が少ない」と中井船長。それでも「3~4キロ級は期待できます」。今後は「しばらくはベイト反応を追います」。毎年ゴールデンウイークころには7~8キロ級の座布団級が舞う“大ビラメ祭り”となるが、果たして今年は?


■渡辺記者が船中1号「いきなりドーンと」

この日、渡辺久美子記者(49)もサオを出し、船中1号となる2・1キロを上げた。「小まめにタナは取り直していたけど、1メートルくらい上げて待っていたら、いきなりドーンときた」。中井船長からは「(合わせが)早い」のアナウンスもあったが、「前アタリが一切なかったので、ヒラメだと思わなかった。アカイカかと思った」。

渡辺記者は船中1号となる2・1キロをゲット
渡辺記者は船中1号となる2・1キロをゲット

▼大原「力漁丸」【電話】090・7210・7492。集合午前4時半、餌&氷付き1万3000円。2人~出船。この時季、オニカサゴ、午後テンヤマダイも受け付け中。※詳細は電話でお問い合わせを。

◆日刊スポーツ共栄会でヒラメを狙える船宿

▼大洗「きよ丸」【電話】029・266・2779▼鹿島「第三幸栄丸」【電話】0299・82・6032▼飯岡「梅花丸」【電話】090・2155・0500▼太東「重宝丸」【電話】090・8948・6669▼伊東「妙法丸」【電話】070・5010・7368