医師で作家の鎌田實さん(67)が、日常生活のちょっとした工夫で健康になり、10歳若返るヒントを教えてくれます。

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 肥満の目安に「体格指数」(BMI)というのがある。

 体重(キロ)÷身長(メートル)÷身長(メートル)=BMI。この計算式で、自分のBMIを出してみよう。

 日本肥満学会は、BMIが18・5~25未満を普通体重としている。25以上は肥満ということになる。

 18・5以下のやせ形の人は短命であるというデータが出ている。やせ形がカッコいいという風潮があるが、あまり健康的とはいえない。

 カッコよくて健康で長生きというのは、22が理想的。男性では27くらい、女性では26くらいまでは長生きしているというデータがある。カッコよくなくてもいい、おいしいものを食べて人生を楽しみ、長生きしたいという人はちょい太くらいの体形がいいのである。このことは「ちょい太でだいじょうぶ」(集英社)という本にまとめた。

 ぼくはおいしいものを食べるのが大好き。長生きするためにおいしいものを食べないなんていうのは納得できない。

 だから、おいしいものを食べようと人に誘われたら、できるだけ断らないようにしている。人をごちそうするのも大好き。「うまいな」と言ってもらえると、本当にうれしくなる。

 しかし、「ちょい太」でとどまることが大事である。「おお太」になれば、やはり糖尿病や心臓病、脳卒中のリスクが上がる。BMI27以上にはならないように、ギリギリで止めるように注意している。

 おいしいものを食べた後は、軽い炭水化物断ちをする。ごはんやうどん、パン、もちなどを避けるだけ。それでほとんど元の体重に戻る。この数年、3キロほどやせて、BMI26をキープしている。

 ◆鎌田實(かまた・みのる)1948年(昭23)6月28日、東京生まれ。東京医科歯科大医学部卒業後、長野県茅野市にある諏訪中央病院の医師になる(現在は名誉院長)。チェルノブイリ原発事故の患者支援、イラク難民支援を続け、東日本大震災後の被災地支援にも力を入れている。著書「がんばらない」など多数。